五分間で自分を売り込もう 第一印象で勝負が決まる
「時間を大切にする」とは?

タイム・イズ・マネーという。それがいちばんはっきりするのは、おそらく特急料金であろう。私鉄の中には、普通電車でも、特急でも料金は同じというのがあるが、国鉄(現JR)は早くから、鈍行と急行の区別をし、急行に乗るお客から急行料金を徴収した。
急行が当たり前になると、今度は特急をつくり、特急に乗るのが常識になると、また新幹線を建設して新幹線特急料金をとるようになった。時間を短くするたびに料金を高くしてきたのである。
運送とは、A地からB地へ人や物を運ぶことである。時間は貴重なものだから、運送に要する時間を短縮すれば、当然、料金は高くなる。これくらい時間がお金と同等に扱われると時間の値打ちをいやでも思い知らされる。
では人間は誰でもそんなに時間を大切にしているのだろうか。東京から大阪に行く時間を三時間短くしてもらったら、大阪に着いたあと、節約した三時間を有効に活用して、特急料金を支払った以上の収穫をあげているのだろうか。実は、早く到着することだけが目的で、あとの時間は、ブラブラすごしている、という人が結構多いのではないか。

  次ページへ→

2009年7月5日(日)更新
- このコラムは連載終了いたしました -



 目次

 
「野心家の時間割」の再録に際して
解説 塩田丸男

第一部 野心家の時間割

 
五分間で自分を売り込もう
第一印象で勝負が決まる
 
「時間を大切にする」とは?
本を買うのも時間の節約
「ダテに年はとらず」
自分を売り込む決定的五分間
人間も料理も初めに勝負あり!
 
三分間スピーチで存在を示せ
「貴人」の心をガッチリつかむ方法
 
自分にとっての「貴人」とは?
人の言葉に左右される愚
「シンデレラ・ボーイ」への決め手
出世するならまず三分間スピーチだ!
人の心に訴える話し方を
話がうまくなれば仕事もできる
 
時間の短縮とはお金の節約のことだ
山崎鉄工所の「無借金経営」に学ぶ
 
「その他の時間」は何に使われているか
山崎社長との出会い
したたかなユダヤ商人
「効率」を限界まで追求する
ロボット化の本当の狙いは資金効率
 
拘束された時間を有効に使う法
収入は時間活用の密度に比例する
 
サラリーマンとは何か?
規律と信頼の分岐点
サラリーマンは「時間売り」商売
拘束された時間をいかに使うか
使った時間に応じた収入を得る法
 
ベッドの中の時間は節約できない
超多忙人間ほどよくモテる!
 
ある眠れない人の話
"夜の考え"は昼の行動基準にはならない
夜型人間と昼型人間
多忙な奴ほど女にモテる
 
"職住近接"で合理化を実践すべし
都心暮らしのすすめ
 
通勤エネルギーをへらす
マイホーム・都心か郊外か
「転勤」という名の宿命に対応せよ!
転勤の時、家はどうする
職住近接のすすめ
 
「寝食を忘れさせる」ほどの仕事を探せ
時間の有効な使い分けができるか
 
夢中にならないと成功できない
芸術も事業も同じだ!
頭角を現わすには比類なき努カを
「寝食を忘れる」仕事につく
ない時間をいかに作るか
 
時間を充実させるには好きな仕事を探せ
仕事を恋人にすればやりくりがうまくなる
 
長い時間を短くする知恵
好きなことを選んだら怠けられない
二十七歳から「遊び」と「仕事」の比重がかわる
やってみないと面白いかどうかわからない
ゲリラ的生き方のすすめ
 
急がば回れ、裏街道がある
自ら動乱に飛び込む「裏階段」出世法
 
野心家なら常に反体制派であれ
無駄のない人間はスケールが小さい
私が直木賞を受賞したわけ
イバラの道こそ出世街道につながる
裏階段だってある
 
何でも体験してビッグになろう
食わず嫌いがあなたを小さくする
 
「間」を知らない奴は間抜けだ
「気晴らし」にも程度がある
「行きつけの店」より「未知の店」へ
「知らないこと」を知る喜び
好奇心にまかせて何でも体験しよう
 
時間に汚染されない鮮度の保ち方
流れゆく日々をどう充実させるか
 
人は感激を失うものか?
わが処女出版の思い出
時間は残酷に過ぎ去ってゆく
「仙人の思想」に学ぶ生活態度
「初心のときめき」を忘れるな
 
ヒマと貯金は先取りしてつくれ
多忙な人ほどお金はたまる
 
カネとヒマの関係
「お金」と「時間」のバランスを保つ
よく働く者はよく遊ぶ
野心家なら多忙であれ
 

第二部 野心家の生活術

 
お金と時間の管理学
 
「お金」だけではもう心に響かない
利殖大学も修士・博士課程に
東京と地方に距離はない
再び職住近接のすすめ
流れ去る時間の活用術
拘束された時間ほど使える
忙しさにも優先順位がある
「仕事」への発想を変えてみよう!
努力して好きになるのも好きのうち
 
仕事と住居の経済学
 
マイホーム型も徹底すれば偉い
通勤時間でわかる仕事への情熱
別荘のような距離に住むな
ガマンションに住む功罪
ミニ・マンションの限界とは?
お店の二階が一番近い
事務所のソファが二人の寝室
貧に臨んで強い女性
 
男と女の政治学
 
欧米式「女尊男卑」のウソ
女の地位と中華料理
知恵が女を実カ者にする
亭主を夢中にさせる術
女はキツネの知恵で勝負する
男の苦労を誰が知る?
 
結婚の経営学
 
亭主関白も先はもう長くない
タガがゆるんできた結婚制度
同棲生活も安全ではない
新ルールで結婚の長持ちを
愛情は小出しに使いましょう
女の職場進出に手をかそう
転職の行動学
 
配偶者よりも仕事を探すのが先
「途中下車、前途無効」を覚悟せよ
小さければ小回りがきく
職業選びに二度目のチャンスがある
新しい成長産業に賭けよ!
古くて新しい商売を探せ
 
 

■邱 永漢 (きゅう・えいかん)
1924年台湾・台南市生まれ。1945年東京大学経済学部卒業。小説『香港』にて第34回直木賞受賞。以来、作家・経済評論家、経営コンサルタントとして幅広く活動。現在も年間120回飛行機に乗って、東京・台北・北京・上海・成都を飛び回る超多忙な日々を送る。著書は『食は広州に在り』『中国人の思想構造』(共に中央公論新社)をはじめ、約400冊にのぼる。(詳しくは、Qさんライブラリーへ

■Qさんへのメールは

中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム