野心家なら多忙であれ
私が観察していると、多忙をきわめている人で、「忙しい忙しい」と愚痴をこぼす人は減多にいない。ヒマな人はたまに用事があるとそれが頭にひっかかって「忙しい」とつい思いこんでしまうが、忙しいスケジュールの人は過密スケジュールが当り前だから、ちょっとでもヒマができると、ヒマな時間をうまく利用しようとする。だから時間のない人ほど時間のつくり方が上手になる。
私なども、一年間のスケジュールの埋まり方からいえば、超多忙の方に属すると思うが、寸暇を惜しむという気持ちがあるから、「やりたいと思うことをやれなかった」と後悔することはないし、現に今でも年間に百二十日は外国旅行をしている。もっとも海外にいる百二十日のうち半分は台湾にいて、そこでも過密スケジュールが待っているが、残りの六十日は仕事を離れての本当の骨休めをする。
昨年一年だけでも日本、台湾を除いて、香港、バンコック、コロンボ、キャンディ、パリ、ブラッセル、アントワープ、リスボン、コペンハーゲン、ニューヨーク、トロント、シカゴ、ロスアンゼルス、シンガポール、ソウル、リオデジャネイロ、サンパウロ、アグアス、ブエノスアイレス、アムステルダム、アテネ、ローマ、イスタンブール、カイロととんでまわった。 |
