貧に臨んで強い女性
どんなに大事業家になった人でも、創業の経験を持った人は、倹約の精神を忘れない。倹約の中には、お金の倹約もあれば、時間の倹約もある。
大きな会社に勤めた人が、命じられて子会社や孫会社の設立に参画した時は、もっとずっと緩やかなプランをたてる。
この仕事をやっていくためにはこれだけの人が必要である。当然、必要な人の数だけ人件費もかかる。スペースはこれだけ必要で、保証金や家賃にはこれだけかかる。設備費、運転資金、さらに損をしているあいだの金ぐりも勘定に入れると、一つの事業を成功させるためにはこれこれしかじかの資金が必要になる。雇われ社長で創業をする時は、これだけの準備をしてとりかかるから、ある意味では、成功の確率は高いといえないこともない。
しかし、脱サラをして自分で事業をはじめたいと思っている人は、そんなに潤沢な資金に恵まれているわけもないし、そんな気のゆるんだやり方では成功もおぼつかないから、お金がなるべくかからないように工夫しなければならないし、また人を雇うだけの余裕がないのだから、一人二役も三役もしなければならないから、時間も効率的に使わなければならない。
そこで、前述したように、事務室のソファを寝室代わりに使う場面も生じてくる。男が夜遅くまで仕事をして会社のソファで夜を明かすくらいのことはさして珍しいことではないが、私の知り合いのように、新婚の夫婦がマンションをひき払って、事務所のソファで寝泊まりするようになるのは、いまのような豊かな社会では、文字通り美談ものであろう。
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