「東洋の思想家たち」の初版は、いまから49年前の昭和33年、
私が34才の時に講談社から出版されました。
最初、創元社から出版する予定で、社長さんも承知していたのに、
最終的に断られたのは
同社の顧問をしていた小林秀雄さんに反対されたからだと
あとで知らされました。
孔子、荘子、韓非子といった中国を代表する三大思想家を
30すぎの若造にいい加減に料理されてたまるか、
と頭から否定されたのも、
この齢になればわからないことではありません。
でも50年たっても、
これらの思想家に対する私の見方にさしたる変化はありません。
私が早熟だったのか、
それともあれっきり成長がとまってしまったのか、
いま読んでも中国人の心を大きく支配している不滅の思想を
いまの人にわかりやすく解説した積りです。
その後、新書、徳間書店、日本経済新聞、実業の日本社と
私の3回の全集にも収録されていますが、
絶版になって久しいのでご要望に応えてここでもう一度、
お目にかけることにしました。
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