第463回
事故多発、安全生産は間違いなく今後中国の課題に

吉林省の石油化学工場の爆発事故、
それに伴う河川の汚染と断水、
さらにはロシアとの国境でもあるアムール川汚染、
ロシアとの行き違い。
重慶市で天然ガス管が爆発。
湖南省でアンモニアが川へ流出して断水。
2005年11月後半、踏んだりけったり、
中国各地で事故が続きます。

さらに、05年、中国の事故で
最も深刻だった炭鉱事故がこの時期、
黒龍江省で起きました。
40人の死者
(第一報、その後死者数増大)を出す大惨事です。
これら、多かれ少なかれ、
人災的な側面もありますが、
一応は純粋な災害として、
江西省で死者十数人を出す地震が起きています。

これから年末にかけて、中国ではある意味
正念場を迎えているといっても
過言ではないでしょう。
吉林省と湖南省の河川汚染は、
ロシアとの外交問題に発展する可能性もあるとはいえ、
最近の事故例では
あまり報告されなかったケースですが、
天然ガスの爆発事故は、結局死者が続々と増えて
250人近くにまで達した
03年年末の重慶ガス田事故を連想させます。
炭鉱事故に関しては、以前にも触れたとおり
今年はあまりにも多すぎました。

生産の安全を標榜する中央政府としては、
まさに頭痛の種、今後しばらくは、
この事故多発に関する反省と
それと関連した反動が
中国社会を襲うことが想定されます。
場合によっては、企業活動にも
多かれ少なかれ影響が出るかもしれません。

06年から始まる第11次5カ年規画
(「十一五」、2006−2010年)については、
以前までに第16期中央委員会第5回全体会議
(五中全会)のコミュニケを紹介する形で、
かなり詳しく触れてきました
このコミュニケでは
どうしても1人あたりGDP倍増度か、
今は環境問題が重要な時ですので、
エネルギー効率の改善などが目立ちますが、
実は、このコミュニケでも、しっかりと
「生産の安全性をより好転させる」ことが明記され、
「調和が取れた社会の構築」に
必須なものとしています。

事故は完全には
撲滅することは難しいかもしれません。
しかし、中央政府の意気込みほどには、
地方ではあまり反応せず、
特に管理面などでは杜撰さが目立つようです。
中央と地方の乖離と合わせて、
事故多発はあらゆる意味で、
中国リスクとして、
軽視できないものだと個人的には思います。

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

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2005年12月2日(金)

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