第422回
炭鉱事故頻発の現実:利権が複雑に絡み合う世界

中国では炭鉱事故が続発しています。
近年の旺盛な電力需要を背景に
石炭の価格が高騰、
そのために「おいしい商売」となって、
違法行為や炭鉱現地の政府幹部による
不正行為などもあいまって、
とかく「安全性」が見失われがちで、
このことが相次ぐ事故を引き起こしています。
事故によっては数人から
100人以上の犠牲者が出ることもあり、
由々しき事態です。

日本でも以前、
炭鉱事故の頻発は社会問題になりました。
経済成長にはつきもの、と断じては
あまりにも尊い人命が失われすぎています。
環境保護に関して、
中国では諸外国の経験や失敗例を
反面教師として取り入れつつあり、
まだまだ十分とはいえませんが、
少なくとも効果は徐々に
出てきているように感じます。
しかし、炭鉱事故に関しては、
全く歯止めを見せようとしません。

この原稿を書こうと思って、
現地のニュースを見てみると、また
「中国全土でここ2日間に3件の炭鉱事故が発生」
という記事が目に飛び込んできました。
そのうちの1件は16人ほどの方々が
お亡くなりになったようですが、
犠牲者が100人を超える事件が珍しくないためか、
メディアの論調もそれほど深刻には
受け止めていないような感じになっています。
中国社会全体が麻痺しているようで、
実に危険な状態です。

中国の炭鉱成金の登場が、
日本でも伝えられるようになってきていますが、
現地ではより大きく取り上げられています。
成金その人ばかりではなく、
その人からうまい汁を吸う人も含めて、
複雑に利権が絡んでいるだけに、
中央政府がいかに厳しい通達を出しても、
地方政府や業者の末端にまで
その異例が行き渡っていないのが現状のようです。

空前の石炭好景気で、
中国株でも関連銘柄に注目されていますが、
現地の実態はおおよそ以上のようなものです。
ただし、このことは、
中国株の関連銘柄に
必ずしもマイナスになることばかりでなく、
むしろプラスになることもあります。

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

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2005年10月6日(木)

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