第443回
5中全会コミュニケを徹底解剖、今後5年の中国は?
前回紹介したように、
第9次5カ年計画(1996年−2000年)の策定段階で、
2010年までの中期計画も立てられ、
具体的な数値目標が掲げられたためか、
続く第10次5カ年計画(01年−05年)では、
あまり具体的な数値目標が目立ちません。
01年年末から年初にかけて制定された
第10次5カ年計画では、
例えば、GDP(国内総生産)は
2000年時点の8.94兆元から05年には
12.5兆元程度に増加するだろう、とか、
固定資産投資額は同じく
00年時点の3.26兆元規模から、
05年には4.3兆元程度に増加するだろう、
程度の記述であって、
これは数値目標というよりは、
目安程度のもの、とも言えます。
現実には、04年の中国のGDPは13兆元を超え、
固定資産投資額は
6兆元に近い水準にまで到達しています。
こうした状況を踏まえ、
「5カ年計画」から
「5カ年規画(ガイドライン)」に変わって
第1回目となる第11次5カ年規画の制定作業が
現在進んでいるわけです。
中国共産党の
第16期中央委員会第5回全体会議
(16期5中全会)で採択された
「中国共産党中央による国民経済と
社会発展の第11次5カ年規画制定に関する提案」で、
第11次5カ年規画の全貌が
よりはっきり分かってくるはずですが、
この「提案」はまだ公表されていません。
ただし、16期5中全会のコミュニケ(公報)が
発表されています。
この中に、第11次5カ年規画の骨子が詰まっている、
というのが定説で、
上記「提案」や第11次5カ年規画そのものが
公表される以前において、
中国の今後5年間を見据える上で、
最重要な資料になるはずです。
本文は、
「全会(16期5中全会)は、
第16期4中全会(04年9月開催)以来の
中国共産党中央政治局の活動を十分に肯定した。
中央政治局がケ小平理論と三つの代表という
重要な思想をよりどころとして堅持し、
全党、全国各民族人民を導き団結させて、
第16回中国共産党全国代表大会
(十六大、02年10月開催)や
16期3中全会(03年10月開催)、
16期4中全会の精神を貫徹・・・」という、
いかにも中国共産党の
政治文書らしい硬い切り口で始まります。
次回以降、
この16期5中全会コミュニケの解読をしていきます。
|