第442回
国民に夢を示す5カ年計画の総決算、その成果は?

誰もが「国民の所得を倍増させる」といえば、
その政治家や政治に対して、
時には「できるものか」と
反発するかもしれませんが、
少なくとも期待するはずです。
「GDP(国内総生産)を倍増させる」というのは、
国民側からしてみれば
あまりぴんと来るものではないかもしれません。
それでも、国としての数値目標が明確で、
世界的な影響力の拡大が実感でき、
それが国に対する自信や信頼に
つながる効果はあるでしょう。

「5カ年計画」から
「5カ年規画(ガイドライン)」に変わったとはいえ、
期限を設けて、数値目標を設定する、
という方法はいかにも中国的です。
これは、国民にビジョンや夢を
見せることにもつながります。

一党独裁だと聞けば
国民に対する弾圧ばかりに気が取られがちですが、
ITが発達し、世界との距離が縮まる中で、
弾圧ばかりでは当然国民からも見放されます。
計画にしろ、ガイドラインにしろ、
将来ビジョンを示すことで、
政治として最も必要な国民に対する動機付けを
しっかりと行っていることが、
問題は多く存在するとはいえ、
中国共産党が一党独裁を堅持している
大きな要因になっていると思われます。
その意味で、5カ年計画にしろ、5カ年規画にしろ、
中国の現実に非常にマッチしたものと考えられます。

1996年から始まる第9次5カ年計画では、
同時に2010年までの目標まで明示されました。
具体的には96年までの成果を踏まえ、
その時点までに第1段階を終了、
第2段階は2000年までを目処にし、
1980年水準と比較してGDPの4倍増を実現、
人民生活を豊かにすること、
第3段階は2050年ぐらいまでを
視野に入れた遠大な計画で、
その時点ですべての国民がある程度裕福となり、
1人あたりGDPでも中等国レベルに到達するとし、
その段階の一部である第2段階終了後の10年目、
つまり2010年までには2000年水準と比較して
GDPの2倍増を実現するというものです。

これら96年時点までに立てられた目標は、
第10次5カ年計画(01年−05年)を経て実現、
あるいは実現が見えてきています。
まだ何とも言えないのが、
2050年を目処にした
1人あたりGDPを基準とした
中等国レベルへの到達ですが、
これは今後、中国及び中国共産党の
長期計画になってきています。

当ページは、投資勧誘を目的として作成されたものではありません。
あくまで情報提供を目的としたものであり、一部主観及び意見が含まれている場合もあります。
個別銘柄にかかる最終的な投資判断は、ご自身の判断でなさるようお願いいたします。

←前回記事へ

2005年11月3日(木)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ