| 第444回5中全会コミュニケ:5カ年計画の成果と今後の予定
 中国共産党の第16期中央委員会第5回全体会議
 (16期5中全会)が
 閉幕して発表されたコミュニケでは、
 第11次5カ年規画(2006年−2010年)の
 骨子となるような部分が盛り込まれていますが、
 それを全体として読み解くとなると、
 いくつかの切り口が考えられます。
 まず、5カ年計画(規画)の評価や成果、
 予定部分で見ることができます。
 第10次5カ年計画(01年−05年)の成果については主に以下の通りです。
 ・01−05年の間に中国は経済的な実力、総合国力、国際的な地位が向上した。
 ・新型肺炎SARSや深刻な自然災害などがあったが
 有効的に抑制できた。
 ・01年12月に中国はWTO(世界貿易機関)に加盟したが
 その後の急激な変化に対応できた。
 また、国民経済の成長を実現してきた。
 ・工業化、都市化、市場化、
 国際化の歩調を速めることができた。
 第11次5カ年規画の予定として挙げられたのは以下の通りです。
 ・2010年の1人あたり国内総生産(GDP)を00年の2倍に引き上げる。
 ・エネルギー資源の消費効率
 (GDP成長率1ポイント上げるのに必要なエネルギー量)を
 05年の水準から20%削減する。
 ・自主的な知的財産権、有名なブランド力、
 競争力を持つ一連の企業を育成させ
 社会主義市場経済体制を完備する。
 ・都市部と農村部の収入水準や生活の向上をさせ、
 物価の安定や住宅、交通、教育面での文化向上、
 衛生環境などを大幅に改善していく。
 ・開放型経済を新たな水準に到達させて
 国際収支の平衡を目指す。
 ・経済社会発展を全面的に協調させ
 安定成長の軌道に乗せていく。
 これだけを確認すれば、今回のコミュニケは大体が読み取れるはずです。
 しかし、中国共産党の
 最重要政治文書であることを鑑みると、
 もう少し深く分析することが、
 第11次5カ年規画の期間中に
 中国共産党と政府が想定している行動計画を
 読み解くには必要になってきます。
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