第464回
06年の経済政策指針:焦点は農業と、消費と投資
中央経済工作会議が
2005年11月29日から12月1日にかけて
北京で開催されました。
この会議は毎年開催されますが、
翌年の経済方針を定める最重要会議となります。
06年は第11次5カ年規画
(「十一五」、2006−2010年)の初年度であり、
その重要性を確認することに主眼が置かれました。
具体的には八つの方針にまとめられています。
1.安定した財政政策と
安定した貨幣政策の実施を継続する。
2.消費ニーズの拡大と固定資産投資の
マクロコントロールの強化に注力、
都市部と農村部の所得や収入の増加に努め、
農村の消費市場を大々的に開拓、
合理的な投資規模を維持して、投資構造を改善、
新規プロジェクトの抑制を堅持する。
3.農業と農村のインフラ建設を確実に強化し、
農村改革を全面的に進展させ、
新農村建設を推進する。
4.産業構造の調整を加速、
地域経済の協調的な発展を推進し、
産業のレベルや技術水準を向上させ、
一部の生産過剰な業界の調整を進める。
5.資源の節約と環境保護に力を入れる。
6.経済体制改革を進展させ、
対外開放水準を向上させる。
7.科学技術、教育、衛生、文化など
社会事業の発展を加速する。
8.人民大衆の切実な利益に絡む
問題解決に注力する。
以前詳解した中国共産党の
第16期中央委員会第5回全体会議
(五中全会)のコミュニケと
読み比べてみるとよいかもしれません。
コミュニケは今後5年間についてを触れたもので、
今回の八つの方針はあくまでも
06年1年間に関することとの違いはありますが、
共通していることとしては、
「三農」(農業、農村、農民)重視であり、
違い(というと語弊があるかもしれませんが)は、
消費と投資の関係に踏み込んだことです。
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