あなたの一枚に出会って下さい

第28回
あなたはどうですか?−「お隣さん」

戸県農民画展覧館を訪れた話の続きです
そして画廊のおじさんが
次に紹介してくれたのは
第20回で紹介した「洗布」の作者、
志倹さんでした。

志倹さん

彼は戸県農民画展覧館の館長を務め、
戸県農民画を一人でも多くの人に知ってもらい、
好きになってもらうために毎日がんばっています。

小柄でいつも笑顔の志倹さんは
私が農民画を見るために戸県に来たと教えると
それはうれしそうに農民画について
色々と説明をしてくれました。

そして彼は私一人のために
団体のお客さんが来る準備のために
休館していた農民画展覧館を開けてくださり、
丁寧に説明をしてくれました。

戸県農民展覧館は1976年に建てられ、
50年代の作品から、60年代、70年代、80年代、
そして現代の農民画と順々に
合計200点余りが展示されています。
戸県農民展覧館では、
農民画の歴史を見ることができます。

志倹 「お隣さん」

この画は志倹さんの「お隣さん」です。
見ての通り、この画に登場している2人の女性は
首飾りもしているし、腕輪もしているし
農村の中では相当のお金持ちの婦人です。
その二人がお隣さんと、誰かの噂話をしている所です。

そして、その噂話に夢中になり、
右の女性は食べていた面を溢している事にも、
赤ちゃんがおっぱいを欲しがって
泣いている事にも気づいていません。
左の女性も選ったばかりの豆を
溢していることに気づいていません。

貧しい時には、こんな勿体無い事は
決して許されない事だったのですが、
最近になって裕福になり、
こういった風景が見られるようになりました。

確かに生活は良くなりましたが、
この農民画は、人の事を気にせず
自分の事しか考えられなくなってしまった人々が画かれ、
人のレベルが下がってきたという事を表現している
奥が深い農民画です。


←前回記事へ 2005年12月5日(月) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ