第20回
画の中の世界へ−「洗布」
農業銀行の前にあったトウモロコシを一つ頂戴して
そのトウモロコシを握りしめながら、
しばらく歩いて気づいたのですが、
その村はちょうど
トウモロコシの収穫が終わったばかりで
トウモロコシを乾燥させるために、
どこの家もトウモロコシを
下の写真のようにぶら下げていました。
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ぶら下げたトウモロコシ
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そのトウモロコシはぶら下げて乾燥させた後に
それをこのおばあちゃんのように
一粒一粒を手で脱穀し、
それから粉にして保存して食料とします。
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おばあちゃん
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おばあちゃんに
「いつまでやるの?」と聞くと
「あー死んでも終わらんよ」と言われました。
そうだろうなと思って、その後しばらく考えた後、
おばあちゃんの隣に座って
脱穀の手伝いをすることにしました。
「これで死ぬ前に終わるよ」と言うと
「ほぉーっ!!」っと叫び喜んでいました。
1時間くらい黙々とトウモロコシを一粒一粒脱穀し、
おばあちゃんに「行くね」とあいさつして
また村を歩き始めました。
この村はまさに
農民画の中の世界なんだと
感じ取る事が出来ました。
このいつもの景色、いつもの仕事、
いつもの生活を農民画家達は画いているのです。
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志倹 「洗布」
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この画は戸県農民画家
志倹さんの「洗布」です。
夏の暑い日に川で藍染めの布を洗っています。
夏にこの画を見て、風鈴の音を聞いていれば
暑さを忘れるくらい涼しくなりそうな画です。
志倹さんは1954年に戸県で生まれた
ごく普通の農民でした。
現在、志倹さんは戸県を代表する農民画家であり、
戸県農民画展覧館の館長も務めています。
彼の作品は多くの賞を獲り、
国内外で高く評価されています。
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志倹さん
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