第26回
これであなたも順風満帆!!−「順風」
前回の話の続きです。
その次に紹介してくださった画家は、
やさしい顔のちょっとポッチャリしたおじさん、
劉知貴さんです。
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劉知貴さん
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彼は1945年
戸県の農民の子として生まれ、小さな頃は
それはそれは貧しい暮らしをしていたそうです。
小学校、中学校を卒業し、高校に入学したのですが
お金がなく授業料を支払う事が出来なくなったため、
入学後すぐに学校をやめて、
戸県の文化館(大衆の文化活動を進めるための機構)で
画を学び始めました。
家の農作業を手伝いながら、
ちょっとでも時間があれば、
畑で筆をとり農作業の様子を画いていたそうです。
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劉知貴 「順風」
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今回はその劉知貴さんの代表作、
「順風」を紹介します。
この画は小麦を脱穀している画です。
どうして「順風」という題が
つけられたのかというと
まず、まだ殻のついているままの小麦を
画に画かれているように空高く舞い上げます。
そうすると殻だけが風に飛ばされるそうです。
この作業は風がよく吹いている日が
殻ばなれ?がいいらしく、
そういうことからこの画は
「順風」と名づけられたそうです。
また、この画の中で
作業している人を数えると8人います。
8という数字は中国では「発財」といって
「金を儲ける、財を成す」
という意味が含まれています。
さらには、第15回、第16回でもお話したように、
黄色と赤色を使って画かれた「順風」は、
とても縁起のよい画になっているのです。
この画を持っていれば
順風満帆に物事が進む事間違いなし!
だといいですね。
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