第16回
黄色はHな色?−「放アヒル」
中国における色の考え方について
もう少しお話を続けます。
中国では赤のほかに黄色も
良い色とされていますが、
今では悪い意味として使われる事もあります。
昔、皇帝しか使う事が許されなかった黄色は、
一般の人が使う事のできない貴重な色でした。
中国の映画などを見てもわかるように
皇帝は黄色の服を着ていますよね。
しかし、現代では黄色は
決して良いイメージだけを
持っているわけではありません。
例えばポルノ映画は中国語で「黄色電影」とか
ポルノ小説は「黄色小説」と呼ばれています。
最近の政府は「掃黄運動」に力を入れています。
日本ではピンクなんですけど、
中国では黄色なんですね。
他にも沢山の色があり、
それぞれ意味がありますが、
国や地域で色のイメージが違うなんて
面白いですよね。
土地それぞれの文化があり、
それによって重宝される色もあるし、
そうでない色もあるんです。
普段何気なく目に入っている色に
少し気を使って見てください。
大げさですが、その色がその色の物語を
聞かせてくれるはずです。
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沈小妹 「放家鴨」
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今日ご紹介する画は金山農民画家、
沈小妹さんの放家鴨です。
この方は第1回「虹をみて!」
第2回「大晦日」でご紹介した画家、
趙龍観さんのお師匠さんです。
2人の画を比べてみると、
どことなく感じが似ています。
春になり道端の花たちも
気持ちよさそうに咲きはじめました。
少年は牛にまたがり
柳の枝で牛のお尻を叩き、
放ったアヒルを囲んでいるところです。
これがこの少年の毎日の仕事です。
牛を青や緑で画いているのですが、
この画からはまったく違和感を感じません。
農民画の多くは
実物とかけ離れた色を使っていますが、
それでもまったく違和感を感じさせない
配色テクニックは立派です。
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