第15回
紅色の幸せ−「獅子舞」
人々は色に対して
さまざまな考え方があります。
赤色に対するイメージにしても
人、地方、国で違ってきます。
もちろん画家一人一人の考え方も違います。
中国において赤色は
非常に良い意味で使われます。
清の時代には一品から九品という
役人の位がありました。
その役人達はみな帽子をかぶっていたのですが
位によって帽子の上にある珠の色が違うのです。
最高位の一品の珠は赤色だったのです。
そういった事もあってかどうか
赤色は民衆から愛される色として
結婚式や祝い事などに
使われるようになりました。
それに今でも年男、年女は
赤い色を身に付けておけば
縁起がいいということで
赤い下着を身に付ける人もいますし、
おめでたい時に人に渡す
「紅包」(祝儀袋)も真っ赤です。
農民画を観てもお分かりのように
おめでたい画には赤色がよく使われています。
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王阿 「獅子舞」
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この画は金山農民画家、
王阿さんの「獅子舞」です。
これは春節(旧正月)の際の
獅子舞を画いたものです。
この獅子舞は五方獅子と言って
東西南北と中央に五頭の獅子が並び、
獅子のそばにいる人「獅子郎」が
獅子を誘い出すために踊っています。
楽団がこの五頭の獅子を取り囲んで
楽しそうに演奏しています。
今日は天気が悪いのでしょうか?
傘を持っている人が沢山いますね。
でも、真中あたりで
爆竹や花火に火をつけようとしている人もいます。
それから一人、何をしたのか分かりませんが
犬に追われている青年がいますね。
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