第317回
与謝野晶子に学ぶ≪いのちのパワー≫1
このコラムの第217回で
群馬県猿ヶ京ホテル(※1)の女将であり、
民話活動のリーダーであり、三国路・与謝野晶子文学館館長で
ある持谷靖子さんが企画公演した、
「ひとりオペラ与謝野晶子 みだれ髪」について
紹介したことがあります。
6月6日、群馬県水上町カルチャーセンターで、
500人ほどの観客を集めて開かれたものです。
その頃に企画された僕と持谷靖子さんとの対談が
「民話と与謝野晶子に学ぶ――日本の伝承力」と題して
いま発売中の月刊誌「むすび」10月号(正食協会発行)(※2)
に巻頭10ページにわたって掲載されました。
合理主義と拙速主義の蔓延し、
閉塞しがちな社会の中で
ともすれば忘れられがちな「伝統日本の情操性」の素晴らしさを
与謝野晶子を語ることによって見直そう、
本来の日本人らしいパワーを取り戻そうという対談です。
とても示唆に富んだ話となったと思いますので、
その一部を紹介させてもらいます。
よく「縁は運を呼ぶ」といいますが、
この対談も思わぬ縁から実現したものでした。
*
関根 縁は異なものといいますか、
がんの患者が何故ここにいるのかといいますと、
実は先日、和歌山で与謝野晶子をテーマにした
講演会に参加した帰りに、
大阪によりまして、大阪ウェスティンホテルで
正食協会の会長、校長と
マクロビオティックの料理をごちそうになりました。
そのとき、ちょっと口をすべらせて、
その講演会の内容が、うちのじいさん(祖父)と
与謝野晶子の交友の秘話だったと話したところ、
会長がひらめいた如くに、
こんど、一緒に群馬の猿ヶ京温泉に行きましょうと。
持谷靖子さんという方が、
ここでホテルの女将をされていて、
群馬県から通って正食協会の料理教室の師範科を
出られた方ですが、
文化、教育面でもいろいろ活躍なさっていて、
縁といえば、そこのホテルで与謝野晶子の記念館を
開いていられるんですよ・・・というではないですか。
エーって。それは面白いですね。
で、こういうことになったわけですね。
先ほど、与謝野晶子の記念館を十分に見学させていただいて
持谷さんの与謝野晶子にかける、
並々ならぬ思い入れといいますか、
すごいパワーを感じました。
僕は、聞いているうちに
与謝野晶子の生まれ変かわりのひとかなと・・・
思うくらいでした。
それくらい面白い話を聞かせていただいたんですが、
その中からいくつか今日、「むすび」の読者の皆さんに
披露していただければ、持谷さんのご活躍の一端、
そして、いま日本人が忘れかけている、
こころの故郷といったことも如実に伺えるのじゃないかと。
*
続きは明日
※1 http://www.sarugakyo.net/
※2 http://www.macrobiotic.gr.jp/
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