第215回
≪声を出していのちを掴もう≫1
ただ、病院や医師に“いのちを丸なげ”してはいけない!
ガンと宣告されたときは、誰しもが頭が真っ白になって
あわてふためいてしまうものですが、
なるべく早く、そのステップを卒業しよう――、
ただ医師や病院にしがみつくのではなく、
患者が生来持っている≪いのちの自癒力≫に
自信を持つこと、目覚めること、希望を持つこと、
さらに≪生命回復力≫をアップするための養生法を
≪あわてず、あせらず、あきらめず≫に重ねることが
≪逆転発想の患者学≫だ――、と
僕の10年のガンの生還・延命体験から書いてきました。
そのために、新たに≪マクロ・エンパワー≫という
≪生命調和原理≫をすすめてきました。
ずばり、≪マクロ・エンパワー≫とは、
≪生命回復力≫を高める患者自身の心得です。
とくに、マクロビオティック食哲学に基づいて、
心身の調和力を高める患者主体の養生の発想法です。
では、どうすれば≪生命回復力≫を得ることが出来るのか?
それは、ただ化学薬やメスにいのちをゆだねるのではなく、
玄米菜食法や呼吸法など、
古来、連綿と伝わる養生思想を思い起こし、
日々、継続実践することです。
患者一人一人が≪生命力調和の原理≫を見直し、
生来、誰しもが持っている、いのちの自癒力を高めることが、
この長寿難病と医療破綻の時代を乗り切る
≪マクロ・エンパワー≫(生命調和原理)の基本であり、
≪上手にいのちを掴む≫近道だ――と申し上げてきたわけです。
さらに、≪心のエンパワー≫(精神調和原理)を高める
ことが大切だということも強調してきました。
ガンと宣告されても、なるべく早く、
医師依存症や放心状態から卒業しよう、
自分の人生の再設計図をつくろう――という提案です。
では≪心のエンパワー≫を得るにはどうするか?
そのために、自分の人生物語を見直す力をつけよう!
この際、治療本や闘病記を一人寂しく読むだけでなく、
先人たちの人生の知恵の詰まった古典・物語・小説・詩歌を読む、
≪ナラティヴ・エンパワー≫(自物語による生命調和)
ということです。
いま、明治大学の斉藤孝教授の
「声に出して読みたい日本語」という本が
ベストセラーになっていますが、
≪声の力≫にこそ生命回復のパワーがあるという
古来の≪いのちの知恵≫を示唆しているものでしょう。
よく、ガンの養生法で≪笑う力≫≪歌う力≫≪音楽力≫が
よいとされますが、ただ1人で黙読するのではなく、
昔から日本語は声を出して読む――さらに自らを物語り、
多くの人たちや次世代の子供たちに生き方をメッセージする――
これが自然な人と人の繋がりだったわけです。
いま、美しい日本語で名作を読むこと、
さらに童謡・唱歌を歌うことが、
いま静かなブームになっております。
というわけで、≪マクロ・エンパワー≫法では、
≪声を出していのちを語ろう≫
いや≪いのちを出していのちを掴もう≫という
≪ナラティヴ・エンパワー≫(自物語による生命調和)も
すすめてきました。
さて、そうしたときです。
まさに≪声を出していのちを語ろう≫を実践。
前に、このコラムの第209回で紹介した
猿ヶ京ホテル(※1)の女将であり、
民話活動のリーダーである持谷靖子さんから、
≪与謝野晶子 みだれ髪 オペラ≫を公演するという
便りがありましたので、
夫婦して群馬県水上町まで行って参りました。
※1 http://www.sarugakyo.net/
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