第216回
≪声を出していのちを掴もう≫2
これからの時代、
ただ病院や医師に“いのちを丸なげ”してはいけない――、
≪生命回復力≫をアップするための養生法=
≪マクロ・エンパワー≫(生命調和原理)を身につけよう――、
さらに≪ナラティヴ・エンパワー≫=声を出して
いのちを掴もう――という話の続きです。
そのさなかです。
まさに≪声を出していのちを語ろう≫を実践。
猿ヶ京ホテルの女将であり、
民話活動のリーダーである持谷靖子さんから、
≪与謝野晶子 みだれ髪 オペラ≫を公演するという
便りがありましたので、
群馬県水上町まで、新幹線で日帰りで行ってまいりました。
持谷靖子さんは、前に、このコラムで紹介しましたように、
県の教育委員長も歴任し、
いま「椿(つばき)山房 三国路与謝野晶子紀行文学館」(※1)館長
「NPO法人にいはるこども文化塾」代表、
など幅広く活躍している才媛です。
先月、マクロビオティックの中心団体である正食協会の
「月刊むすび」(※2)誌の企画の対談が縁で知り合いました。
さて、持谷靖子さんが企画した、
「ひとりオペラ与謝野晶子 みだれ髪」の公演は、
6月6日、群馬県水上町カルチャーセンターで、
500人ほどの観客を集めて開かれました。
与謝野晶子は猿ヶ京や水上の奥上州の温泉や周辺の自然を
こよなく愛し、1931〜39年の間に、
夫の鉄幹と共に3回、夫の死後1回訪れました。
221首の歌を残しているために、
やはり、持谷さんたちが音頭を取って、
水上町諏訪峡に≪与謝野晶子の歌碑公園≫が完成したことを
記念して、晶子を≪声を出して楽しむ≫
ユニークなオペラ公演が誕生したわけです。
「ひとりオペラ与謝野晶子 みだれ髪」公演は
次のように内容豊かな構成となっていました。
■イントロダクション
みなかみ町新治小学校生徒10名
朗読「みなかみ町の寛・晶子 春の歌」6首
■第1部 記念公演「晶子・その人と作品」
与謝野晶子倶楽部副会長 元大谷女子大学教授 入江春行氏
■第2部 ひとりオペラ「与謝野晶子 みだれ髪」
<台本>持谷 靖子<作曲演出>仙道 作三
<ソプラノ>出来田 三智子<エレクトーン>西岡 奈津
<指揮>牧野 裕史<パーカッション>仙道 作三
この≪与謝野晶子ひとりオペラ≫の副題は
≪子生み歌生み≫〜でした。
あの名作「みだれ髪」や
「君死にたまふことなかれ」などを世に問うて、
いち早く女性の自立を歌い上げる一方、
実生活では夫・寛を経済的にも支えるばかりか、
11人の子供を生み育てるという女傑ともいうべき与謝野晶子――
その激しい情念と豊かなロマンに満ちた
“女の一生”を歌い、そして語る、
熱演アリア(ひとりオペラ)の構成となっておりましたから、
もちろん、本の黙読では得られない感動に溢れ、
観客一人一人の魂が激しくエンパワーされたことは
いうまでもありません。
さらに、日頃、持谷さんが民話朗読の指導されている
新治小学校生徒さんたちによる
「与謝野晶子・寛の短歌朗読」も素晴らしいもの。
観客の心を≪エンパワー≫させるものでした。
明日、「ひとりオペラ与謝野晶子 みだれ髪」公演の話を
もう少し詳しく、書きましょう。
※1 http://www.sarugakyo.net/bungaku/
※2 http://www.macrobiotic.gr.jp/publication/musubi/top/
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