ガンを切らずに10年延命-関根 進

再開!元週刊ポスト編集長の目からウロコの体験秘話!

第209回
与謝野晶子の≪心のパワー≫を肉声で聞く・1

前回、ガンのような難病から立ち直るには、
患者さんは、意識的に
≪心のエンパワー≫≪いのちのエンパワー≫を
自分自身で養うことが大切だ――とすすめました。
さらに、その≪心のエンパワー≫を養うには、
≪ナラティヴ・エンパワー≫を心しよう――、
≪声を出して、自分を語りなおそう!≫――、
きっと、不思議なパワーが満ち満ちてくるはずだ――
とも書きました。

えーっ、朗読なんて恥ずかしいからイヤだなどと、
しり込みしないでください。
患者と家族のみなさんは、
ただ黙々と病院に通って化学薬に頼るだけでなく、
気分のよいときには、
自分の気分に合いそうな小説や詩や和歌などを
紐解いて声を出して読みましょう。
その作品がメッセージする≪物語≫をわが身に照らして、
語りなおしてみましょう。
難しい作品はイヤだったら、昔、口ずさんだ童謡でも、
昔、祖父母が読んでくれた童話でも民話でもよいと思います。
きっと、不思議なパワーが満ち満ちてくるはずです。

ところで、先月の末のことでしたが、
まさに、この≪心のエンパワー≫を心身丸ごとで実感する
チャンスといいますか素敵な<縁>を得ました。
群馬県の名湯・猿ヶ京温泉の「猿ヶ京ホテル」(※1)に泊まって、
僕の好きな歌人の1人である、
与謝野晶子の和歌の揮毫(きごう)を、
ただ字面で追うだけでなく、情熱の女性・晶子が自らの歌を
朗々と読み上げる≪肉声≫をテープで聞くことができたのです。

椿ちるべに 椿ちる つばきちる
      細き雨降り うぐいす啼けば  

こすもすと 菊ダリヤなど 少し咲き
里人は云ふ 猿ヶ京城

心胆の底から湧き出てくるような
時代の語り部・与謝野晶子の≪肉声パワー≫を、
全身で感受したわけですから、
日常では忘れかけている、幽玄・躍動の世界に誘い入れられ、
僕自身、≪いのちのエネルギーが漲ってきた≫ことは
いうまでもありません。

持谷靖子さんは慶應義塾大学、県立女子大学大学院を出た才媛で、
与謝野晶子の研究家としても高名ですが、ホテルに隣接して、
「椿(つばき)山房 三国路与謝野晶子紀行文学館」(※2)を開設。
歌集、源氏物語などの貴重な文献はもちろん、
書簡や衣装といった珍しい資料もたくさん収蔵し、
館長としてユニークな企画展を開いているわけです。
ここには日本でも有数の文学館なのです。

その館内には、昔懐かしい黒塗りのダイヤル式電話室があり、
与謝野晶子が、ここ猿ヶ京温泉や法師温泉、
四万温泉などに遊んだときに歌った221首のうち、
23首の朗読肉声が聞ける仕掛けが作ってあるのです。
これぞ、≪声を出して、自分を語りなおそう!≫という
生命力向上させる≪心のエンパワー≫の境地の粋を極めた
ナラティヴ・ワールド(物語の館)でしょう。

では、なぜ、猿ヶ京ホテルにまで行ってしまったかといいますと、
このホテルの女将・持谷靖子さんは、
マクロビオティック料理の師範でして、
僕の敬愛するマクロビオティック「正食協会」の
岡田定三会長と岡田昭子校長から紹介されたからです。


※1 http://www.sarugakyo.net/

※2 http://www.sarugakyo.net/bungaku/


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2009年6月13日(土)

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