国際結婚してフランスの田舎に住んで

パリだけがフランスではありません

第128回
海の幸、食べに来てください

ブルターニュ地方沿岸部は、
冷たい大西洋に面している豊かな漁場として知られています。
実際第10回でも触れましたが、
ヴァンヌやセネのマルシェで漁師の奥さんたちから直接買う魚は
驚くほど新鮮です。
取れたてといえる魚ですから新鮮なのは当然といえば当然ですが、
東京育ちの私には「驚き」でした。

そして今、帆立貝のシーズンに入っています。

ヴァンヌの魚市場では、もちろん貝のまま売られています。
ぱっかり口を開けているのもいれば、
しっかり閉じているのもいますが、
どちらも生きているのは言うまでもありません。
口を開けているのにちょっと触れば、ぱちっと閉じます。

ここでも帆立貝は昔ほど無尽蔵に取れるわけではありません。
資源保護のため、かなり厳しい規制が科されています。
はっきり聞いたわけではありませんが、
漁が解禁になるのは10月下旬から4ヶ月あまりのこと。
さらに1日中取って良いわけでもなく、
漁の時間は何時から何時まで(時間にして2、3時間ほど)に
制限されています。

今年はシーズン始めから豊漁だそうで、
お値段のほうはまあまあです。
だいたい1kg3.5から4ユーロといったところでしょうか。
去年の同じ時期は1kg4.5ユーロでしたから、
少し豊漁の恩恵を受けているようです。
1ユーロ140円としても500円ぐらい?
日本から考えたら随分安いのではないでしょうか。

と、ついつい日本円に換算する癖が抜けないのですが、
こちらでもけして「安い」食材ではありません。
たとえ1kgといっても貝付きですから、
大きさによりますが5から6個しかありません。
大人が十分に味わいたいと思ったら1人1kg見当でしょう。
専門の肉屋で上等なビーフステーキ3枚と同じような値段か、
不漁で高い時はそれ以上になるわけですから贅沢な食材です。

さて、買ってきたらまず貝を開けて腸を取り、
掃除をしなければなりません。
でも帆立は案外開けやすいのです。
貝の付け根に少しだけ隙間があるので、
そこにナイフを入れてごそごそと動かせば
柱を切り離すことができます。
こうして貝殻から身を外した時、
元気の良いのは貝柱の心臓のような鼓動が手のひらに伝わります。
生きている!と実感しますが、美味しさには抗えません。

日本人はこれを刺身にせずになんとする!と思いますが、
ここで「生」で食べる人はあまりいません。
レモンとオリーブオイルでマリネするのがせいぜい。
ひもは絶対といっていいくらい食べません。
もったいない。

我が家?
刺身はもっぱら私専用食。
バターでさっと
炒め(ニンニクやパセリのみじん切りを加えても良い)て
塩、胡椒、お醤油を一たらし…
これが最も受けています。



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2005年11月9日(水)

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