第1回
フランスに暮らして Ma vie en France
1995年、それより4年前に出会った
風変わりなフランス人と結婚したところから
私の海外生活が始まりました。
海外には個人、仕事を問わず良く出かけていましたが、
まさか日本以外、それも東京以外の地に住む事になるなど
一度も考えたこともありませんでした。
特に海外に住んでみたいといった憧れも持ってはいなかったし。
結婚を機に、最初の5年は
南太平洋にある「最後の楽園」とも形容されるタヒチ
(正式にはフランス領ポリネシアと言いますが)で暮らしました。
息子はここで生まれました。
そうしていろいろな事情から、
主人の国であるフランス本国へ越す事にし、
2000年4月、私たち家族は現在の家で暮らすようになりました。
フランスでの暮らしも、
ようやく5年近い月日がたとうとしています。
引越しを決める時、日本は考えなかった?
そう、まったく選択肢には入りませんでした。
理由は、東京の実家で一人暮らしをしていた父が死に、
実家の売却が決まっていた事。
「自由人」というにふさわしい夫のオリヴィエが、
日本社会と折り合いが取れるとはとても思えなかった事。
息子もすっかりタヒチで野性的に育ってしまい、
当時4歳でしたが
日本の教育の型には到底収まらないだろうと実感していたからです。
それならいろいろあっても
私がフランス社会に溶け込む方が早いかも。
幸いその地ならし的にタヒチでの5年間の経験がありました。
といっても実際フランスで暮らしてみると、
島暮らし(ライアテア島。最初日本人は私一人でした)ほど
単純ではなく、わからないことだらけでしたけどね。
そうは言いながらも、
ようやく少しずついろいろなことが見えてきつつあります。
フランス語という言葉の壁は
まだまだ大きく私の前に立ち塞がっていますが、
10年以上の付き合いになる
家族を通して見ているフランスでしょうか。
そんな回りの人々との生活の中で感じる、
フランスやフランス人の
日本とは違うところ、良いところ、悪いところ、
面白いところ、変なところ、などなど。
楽しくお伝えできたらと思います。 |