国際結婚してフランスの田舎に住んで

パリだけがフランスではありません

第127回
フランスでの「民営化」議論はタブー?

日本では国民多数のコンセンサスを得て
構造改革が本格化していますね。
郵政、その他もどんどん民営化への道を突き進んでいるようです。
でもフランスは?です。

EU内で国の債務超過で劣等生のフランスですが、
公共サービスの民営化論議は
ほとんどタブーといっていいほど表立った議論になりません。
というのも、そんなことになったら
多分国中がストの嵐で
日常生活の様々な活動が麻痺し大変なことになるからでしょう。
日本人には信じ難い行為だと思いますが、
なにしろストのために
国内の経済効果が数%下がってもへっちゃらなお国柄。

今夏コルシカ島とマルセイユを結ぶ
国鉄系のフェリーのストがありました。
9月はまだバカンス客も大勢いたうえ、
港の封鎖とかいろいろ大騒動でした。
そうこうしているうち、
ほぼ重なるようにマルセイユの公共交通機関がストに入りました。
全部ストップしたわけではありませんが、
間引き運転というか、
通常の3分の1から半分しか動かないということが
1ヶ月も続いたのです。
日本だったらお客のほうが黙っていないと思うのですが、
ここではみな文句は言うもののほとんど受容というか、
仕方がないと諦めているようでした。

といって、すべての公共サービス事業が100%国の経営かというと、
どうもそうでもないようです。
たとえば電信電話会社のフランス・テレコムとか、
電気のEDFや都市ガスのGDFなど、
半分以下ですが民間資本が入っています。

ただ面白いことに、
日頃から経済に精通している人でないと
民間資本の割合や実態が良くわからないのかな、
と思うことがありました。

オリヴィエはフランスを長く離れていたので、
そうした現実に疎いのは分かっていました。
その点義父(83歳です)は、
新聞、雑誌、その他いろいろ
今も社会経済の動きに目を配っているので、
当然知っているものと思いました。
ある時前出の質問をしたところ、
「あまりに複雑でわからない」との答えが返ってきました。
アララー、そういうものなんだ。


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2005年11月7日(月)

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