国際結婚してフランスの田舎に住んで

パリだけがフランスではありません

第126回
議論なしに納得させるのは無理?

10月17日小泉首相の靖国参拝で、
またもや中国や韓国と摩擦がおきているようですね。
日本のニュースで
「日本政府は首相の靖国参拝の真意を機あるごと、
両国に伝えていく方針」といっていました。

ここのラジオ・ニュース(テレビでは触れもしませんでしたけど)は
この日の出来事を、少々驚きを持って伝えたように思います。

私は日本人ですが、海外に暮らして10年。
ここでは自分の考えを納得してもらうには
議論が必要だと実感しています。
一方的に説明しても
相手(たとえ家族でも)は納得してくれないからです。

私より長く、あるいは短くても海外で生活、
あるいは国際結婚をしていらっしゃる方は
どう受けとめられたでしょう。

欧米で日本の論理が通じなくても
仕方がないと考える方もいらっしゃるかもしれません。
しかし世界のどの国(たとえお隣でも)も
それぞれに違う国民性と考え方、習慣を持っています。
ただ時間をかけた交流と議論を通して
違いを認めようとしているような気がします。

たとえばフランスとドイツ。

真面目なドイツ人といい加減なフランス人。
正反対の国民性です。
プロテスタントのドイツとカトリックのフランス。
だから考え方も違います。

今夏ドイツからいらした日本人夫妻から聞いた日常生活も、
驚くほどフランスとは違いました。

「温かい食事は1日1回」
「学校は昼までで給食はない」
「仕事は朝6時から7時に始まる」
「夕食は6時頃が普通」
などなど。
フランスはけっこう料理をするし、
学校は給食をはさんで4時半から5時まで。
仕事は一般に早くても8時から9時始まり。
夕食は大人だけの集まりなら21時や22時開始も珍しくありません。

フランスの雑誌では、自国とドイツの関係を表現する時、
「結婚」という言葉を使います。
情熱的な恋愛でなく、良好な関係を長持ちさせるために
努力のいる理性的な「結婚」というわけです。

1993年に仏独協力関係30周年記念で世論調査が行なわれたそうです。
どちらも半分以上の人が確かな同盟国と考えながらも、
フランス人は統一ドイツを恐れていたともいいます。

それから10年…
1992年に始まった仏独共同文化テレビ放送当初の視聴率は2〜3%。
現在視聴率は13%になり、
他にもいろいろな面で交じり合うことが増えています。
相手国で仕事をする人、
両国人の国際結婚も増加とル・ポワン誌に出ていました。

中国、韓国、日本も
経済や人は以前に比べ多く交じり合っているはずです。
政治の分野でいつもギクシャクするのは、
同じテーブルで
認識の違いをぶつけ合う議論がないからかもしれませんね。


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2005年11月4日(金)

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