第775回
「離婚のピンチに備えることが家庭を崩壊から守ります」
邱さんは『女の財布』で
女性が自分の経済力を高めることを提唱し、
たとえば株を買うことを薦めています。
(第760回 金銭感覚を磨く二つ目の方法は株を買うこと)
そうした考えの根底にあるのは、
女性が自分の経済力を高めることで
そのことが円満な家庭を維持することに役立ち
家庭を離婚の危機から守ることになるというもので、
邱さんは次のように書いています。
「(株についての文章を書いたが)
株をやればお金が儲かるようになるから
という意味ではない。
株式投資や会社資産に対する扱い方をきっかけとして
経済知識への扉がひらかれれば、
家産の運営についての意識が強くなり、
主婦の守備範囲が広がっていくと考えたからである。
たとえば、ご主人が勤務先の仕事に追われて、
家の中のことは全くかまおうとしない場合、
奥さんが利殖に関心を持ち、
貯金をうまく運用して
財産をふやすことができたとしたら、
一家が安泰であるばかりでなく、
ご主人に死なれても
あとの生活の心配はなくなるであろう。
それはまた
家計に余裕をもたらす手段でもあるし、
一家における妻の役割を
正しく位置づけることにもなるから、
妻としてもストレスのたまり方は
少なくなるであろう。
もう一つの方法は、妻が働きに出るか、
店を持ったりして
自分で仕事をやってみることであろう。
最近、一番目立つようになったのは
主婦の職場進出であるが、
これも女の経済力を強める有効な手段であろう。
妻が世の中のでき上がり方に対して
男と同じだけの認識を持つようになれば
妻は夫の適切な相談相手になれる。
そうなれば、お互いの信頼感も深くなるから、
夫婦の仲が睦まじくなり、
家庭内の空気もなごやかになる。
それは当然、離婚に対する
ブレーキとしても作動する。
離婚のピンチに備えることは、結果として、
家庭を崩壊から守ることになるのである。」
(『女の財布』)
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