第774回
「女性が経済力を高めることが離婚の危機から救います」

邱さんは夫と妻が仲良く暮すには
妻の経済力を高めることだと主張しています。
たまたま、わが国で女性の職場進出が活発になり
女性が仕事を持つことが顕著になる時期と
離婚が増えてくる時期が重なったため、
女性が職場に進出することが
離婚がふえる原因であるという
意見がありました。

邱さんはそうした見方には反対で、
むしろ女性が仕事を持ち
自分の経済力を高めることが
離婚の危機を防ぐものであると
次のように述べています。

「女の経済力は
女を男と同じレベルの人間にすることはあっても、
離婚を容易にする条件の一つとは
いえないのである。
むしろ離婚をしても、
生活に困らない状態が
女に他のことをあれこれ考慮する余裕をあたえる。

ちょうどサラリーマンでも
生活に余裕のある人は、
少々くらいの不満があっても、
すぐに喧嘩をして会社を辞めたりしないように、
女性も自分で独り立ちのできるだけの
経済的余裕と自信のある人は、
二言目には『あなたには愛想がつきたわ』とか
『子供とあえないようにして、夫を苦しめてやるわ』
といって、鬼女の形相まるだしにすることは、
まずないのである。

そういった意味で、
離婚のピンチに備えることは、
この地殻変動期に
女性を離婚から守る効果的な方法であろう。
そのためには、
女が経済力を身につけることが
何より有効な方法であろう。」
（『女の財布』）