第773回
「妻が経済的に夫と平等の立場に立つのがいい」
離婚が増える時代風潮のなかで
夫婦の間に潜在している離婚の危機を
未然に防ぐ心構えとして
邱さんはお互いに寛大な気持ちで
譲り合うことが大切だとしていますが、
より具体的には
夫と妻が経済の面で
平等の立場に立つようにすることだと
次のように述べています。
「女が結婚と共に職場を去って
家庭に戻るよりも、その逆が有効である。
ある時期、育児のために女性が職場を離れたり、
あるいは、家の中にいてもできる職業に
切りかえたりするのはやむを得ないが、
事情さえ許せば、男と同じように、
仕事を持ち、お金を稼ぎ、
同じレベルで自分の夫と
つきあえるようになる方がよい。
かっては、『男』と『女』の
性別のところばかりが強調されて、
男女の分業が理想とされたが、
男も女も同じような条件の下で働くとすれば、
よきパートナーになったとしても
少しもおかしくはない。
たとえば、男同士のパートナーだって
気の合うパートナーもあれば、
事毎に反目を感ずる相手もある。
男と女の気の合う同士が一緒になって
家庭を営むとすれば、
男と女の間に付き合いのルールがあるように、
夫婦の間で平和を保つルールが発見されて
しかるべきであろう。
そのルールは、女が自分の財布を持ち、
同等の立場に立つようになれば、
自然にでき上がってくるものと考えられる。」
(『女の財布』)
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