第1回
邱さんから学んだことを本に書きました。
私は昨年末に本を出版しました。
『あなたも賢者になれる―私は邱永漢さんの知恵を借りた』
という本です。
このタイトルは邱さんがつけてくださいました。
しかも本を飾る序文として
「自分で考え、自分で選択を」
という文章まで頂戴しました。
おまけに「もしもしQさんQさんよ」のコーナーで
紹介していただきました。
私は、49歳になるまで新日鉄につとめ、
50歳になる直前で研修講師の道に転じたサラリーマンです。
そういう人間が、本を書いて、邱さんに名前をつけてもらい、
序文まで書いてもらいました。
どうして、ことになったかといえば理由はいたって簡単です。
邱さんの本を読み、読んで仕入れた知識や智恵を、
自分の人生のいろんな場面で活用させていただいたからです。
活用した場面は私的な人生設計から
会社での新規事業の企画にまで及びます。
考えてみれば、作家の作品を読んだ読者が、
読んで仕入れた知識や智恵を自分の生活にそっくり活かした
というようなことは、それほど多くはないように思います。
そういう中にあって、邱永漢さんという作家が提供する話には
読者がその気になれば、実地で体験できるような話が多いのです。
そういう意味で、数ある作家の中で、邱さんは稀有な作家だと思います。
いい人と同じ時代に生きることができてよかったなあ、
というのが邱永漢作品を愛読してきた私の実感です。
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