第711回
株の達人を目指しましょう
まえに邱さんが、
株で儲けるより損をしている人のほうが多いと
おっしゃっていましたね。
最初はしくじることは避けられないかもしれませんが
全体としては損をしていないよと言う側に
まわりたいものです。
さて、株で損をする大きな原因の一つは
高値をつかむことではないでしょうか。
思い当たることがある人は、
私が前に『株が本命』のなかの文章を引用した
「自分に付和雷同の傾向があることが見えてきます」
(第460回)をお読みになることをおすすめします。
そして、今回は、
その続きの文章を引用させていただきます。
「株にかかわりのない人がはたから見ていると、
株でお金を儲ける人は、欲の塊のように見える。
大した努力もしないで、
売った、買った、の掛け声だけで
『濡れ手にあわ』の人生を送る人のように見える。
株式投資熱にうかされて、
仕事のあいまにも短波放送を
きかずにいられないような株キチガイの中には、
なるほどそういう人間がいるかもしれない。
しかし、そういう人はまだ株の達人とはいえず、
おそらく株で産をなしてもいないだろう。
というのは、
自分でこうしたいという欲望をグッと抑え、
自分がやりたくないと思うことを
自分の尻を叩いてでもやれるようにならなければ、
株で一儲けというわけにはいかないからである。
株式投資はお金という生臭いものを扱っているが、
それを扱う人の心境は
非常にストイックなものであり、
寺にこもって座禅を組んでいるのとあまり変わりはない。」
(『株が本命』)
株という実に実に生臭いものに取り組む姿勢を
「寺にこもって座禅を組んでいるのとあまり変わりはない」
と表現されるなんて絶妙です。
「株の達人」を邱さんがどうイメージしているか
一目瞭然で、一読するだけで
目を覚まされます。
同じように株を扱うのなら、
こういう境地に達したいものです。
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