Qさんは、かつて「知恵は借り物でも知恵である」と書きました
そういうことをおっしゃる人の知恵ならいくら借りてもモンクは出ませんね

第547回
『サラリーマン出門』は独立・自営の推奨本第一号

私はアイ・オークションネットの原さんが
邱さんが書かれた本の中で、
はじめて読んだ本が
ワニ文庫だったとおっしゃったことに興味を覚えて
調べた結果をメールで伝えました。
その内容を前回紹介しましたが、
今回もお送りしたメールの続きをご紹介いたします。

「続いて第三弾として出版されたのが
 『邱永漢サラリーマン出門』で、
 昭和59年12月15日に400 円で発売されています。
 この著作のオリジナル版は『サラリーマン出門』で
 昭和45年に出版されています。
 昭和44年から45年にかけて邱さんは
 サラリーマンをやめ、
 独立しようと考えている人のために
 日本経済新聞の家庭欄に“サラリーマン出門”を連載し、
 同社から出版されました。
 この作品はその後、『途中下車でも生きられる』
 『40歳からでは遅すぎる』など
 その後、続々と出版される“独立・自営のすすめ”本の
 第一号にあたる記念すべき作品です。

 オリジナル版が世に出たとき
 原さんは4歳だったことになります。
 私は昭和18年生まれで、
 このオリジナル版が出版されたときは、27歳でした。
 もっとも、この頃は邱さんの作品はまったく読んでいませんで、
 私が邱さんの本を読み出して4年ばかりたった
 40歳前後のころにこの本を手に入れて読みました。

 それまで私は大学を卒業して入社した企業に
 ほぼ永遠につとめて働き続けることを考えていまして、
 その道からの“出門”を薦めるこの本には
 激しい“違和感”を感じました。

 しかし、一方、サラリーマンを続ける限りは
 いずれ、定年にぶち当たるわけで、
 そのことを考えれば一本調子で
 走る続けることはできないわけで、
 この先どうしたらいいのだろうかと
 考え悩みながら読んだのがこの本です。
 そういう意味から、忘れることができない本です。

 その後、自分が通ってきたみちをふりかえると、
 私は50歳のときに、会社を辞め
 第二の人生に踏み出しましたので、
 そのきっかけを提供してくれた本です。
 それはともかく、40歳まえに
 独立自営の道に踏みだされた原さんさんには
 ピッタリの本だったことになりますね。

 実は、昨年から、今年にかけ、
 私は邱さんのホームページで
 『お知恵拝借』とは別に
 『Qさんライブラリー』と題した作品ガイドをやらせていただき、
 この『サラリーマン出門』のことについても書きました。
 時間ができたとき、ご一読いただければ幸いです。
 以上長くなりましたが、
 私が確かめたことの結果をご報告させていただきました。
 次回お会いさせていただくときは
 これらの本を持参したいと思っています。
 ありがとうございました。」


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