第479回
「持株に精通しようと思えば、銘柄をしぼるのがいい」
「ハイハイQさんデス」で邱さんが
読者からの様々な質問に答えられています。
邱さんの考え方について
理解が深まるという効用もあるし、
質問にズバズバ答えるその口調が
面白いということもあって、
私の友人などもこの欄を楽しんでいます。
もちろん、
私も欠かさず拝見しているうちの一人ですが、
この欄を見ていると、
自分が買った株を邱さんに
診断してもらいたいと思っている人が大勢いらっしゃって、
対象こそ違え、邱さんに持ち株を診断してもらいたい
という人の気持ちは、いまも昔も変わらないなあ
という感想を禁じえません。
邱さんはどちらかと云えば、
人が持っている株について
あれこれおっしゃることはお好きでないと見受けられますが、
せがまれて意見を求められることもあるのでしょう。
たとえば平成元年に出版された『株は魔術師』では、
そうした人と話し合う光景が描かれています。
「そういう人(注:持株の打診を受けた人)から
時たま相談を受けて手渡しされた持株のリストを開くと、
便箋紙で2枚3枚と続いている。
一銘柄が5万株とか、10万株とかいうのはまずなく、
たいていは一銘柄が1000株、
2000株というのがズラリと続いている。
『これじゃ、午後の3時に取引が終了して、
自分の持株の時価がいくらか計算しているうちに、
また翌日の相場がはじまってしまうんじゃないですか。
持ち株の種類はなるべく少なく、
一目で儲かったか、損したか、
すぐわかるほうがいいですよ』
『でも、人にすすめられたり、雑誌を見たりすると、
あれもいい、これもいい、というようなきがして、
つい銘柄が多くなってしまうのですよ』
『ですから、籠の中がいっぱいになったと思ったら
時々、思い切って卵を投げ出してしまったほうがいいですよ。
一番いいのは一銘柄だけで勝負することですが、
まさかそうもいかないでしょうから、
3つか、4つ、一番多くても
片手で数えられようにされたらいかがですか?』
『私もそう思っているのですが、
気がついてみると、
また多くなってしまいましてねえ』」
(『株は魔術師』)
|