第478回
「過去をもって未来を測ることはできません」
ネットでケイ線のことを調べると
ケイ線とは過去の株価の足取りを表したもので、
これが読めるかどうかで
株式投資の成績にかなりの差が出る
といった説明に出会います。
でも邱さんはこのケイ線のことを
「自分は問題にしない」とおっしゃいます。
『株の原則』を読み続けていると
次のような説明に接しました。
「多くの人が、ケイ線を見て、
ケイ線のとおりに動けば、
株価は、ケイ線のとおりに動きます。
つまり、ケイ線がこういう具合になっていて、
ここまでいったら、これから新高値になるとか、
あるいは底をつくとか、過去の実績があります。
それを見て『これで底をついたぞ、それっ』
とみんながその株を買えば、
もう底をつくに決まっているんです。
日本経済新聞でさえ、
週に一度ぐらい、ケイ線を載せている。
おどろくべきことに、証券会社の社長室に行くと、
ケイ線が壁に貼ってあるんですね。
そういう意味では、
証券界に根強くケイ線を
信奉する人がいることがわかります。
そういう人たちがいる以上、
ケイ線を見ることも一つのやり方ではあるんです。
でも、私はケイ線をほとんど当てにしません。
社会情勢の新しい変化が
ケイ線に影響を与えることはあっても、
ケイ線で社会情勢を予測できないからです。
過去をもって未来を測ることはできない、
と私は思っています。」
(『株の原則』)
利殖に関する限り
過去の経験は立たないということは、
これまた邱さんがよくおっしゃることですね。
いつも、初々しいシロウトのような気持ちで
経済の動きと接しなければいけない
ということでしょうか。
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