第419回
人生設計セミナーも”体験ビジネス”の一つです
邱さんは30年以上も前に、
娯楽とか、食事や旅行や美容のように
体験にお金を使わせる事業を
“体験産業”と呼びました。
私がこの“体験産業”という言葉に初めて接したのは
「“体験産業”が成熟社会の成長産業だ」
(『金銭通は人間通』 昭和60年)
というタイトルの文章です。
「パチンコ屋やラブホテルもふえたが、
成人教育をするカルチャーセンターや
パソコン学校も負けずに大きくなっている。
これらの新産業はかつて私が『体験産業』と名づけた
『身体で体験することに代価の払われる商売』であるが、
体験をさせる商売が活気を帯びてくることはまず間違いない」
(『金銭通は人間通』)
この文章を読んでから数年あとに、
私はたまたまテーマパークの広報担当になりましたが、
こういうビジネスは、まさに邱さんのおっしゃる
“体験産業”だと思いました。
その後に私はマネジメント研修の講師になりましたが、
研修の受講者は、講師の話を聞くことより、
自分たちで何か作業するときの方を好みますので
研修ビジネスも、“体験産業”だと思うようになりました。
そうしたことを経験してきていますので、
9月の各週の3日間「人生設計セミナー」を開いたとき、
参加者の人たちそれぞれに
人生の設計図を作成していただき、
また発表していただくとという“体験”に
一番の力点を置いてきました。
もっとも顔を合せる時間に限りがありますので、
実際に各自のライフ・プランを作成していただくのは
セミナーの時間外になってしまいますが、
自宅で作成していただき、
それを発表していただいたことが
参加者の人たちに毎日の生活にはない緊張感と
何がしかの満足感と、
明日に向けての英気を養っていただくきっかけに
なったのではないかと考えています。
人生設計セミナーも“体験ビジネス”の一つだというのが
実際にやってみたあとの実感です。
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