| 第415回独立したら節税対策に頭を使うことが必要になります
 職場で身につけた知識や経験だけでは独立できない仕事が多いのですが、
 数ある仕事の中には、実務で得た成果をひきさげて
 それをバネに独立できる仕事があります。
 たとえば広告とか、出版とかの仕事は
 独立するに適した仕事といえるでしょう。
 今回、こうした分野で活動する人で、今年度内に独立しようとしている人が
 セミナーに出席してくださいました。
 邱さんはサラリーマンから“出門”する人には儲けたときのことより、
 損をしたときどんな立場になるか、
 思いをいたすのがいいとアドバイスしています。
 と同時に、独立して首尾よくいい成績をあげると、
 儲けの多くを税金にとられ、
 これはこれで大変なので
 節税に知恵をしぼれとアドバイスします。
 たとえば『賢者は中金持ちをめざす』という本のなかでたまたま広告の分野で独立し、いい成績を上げた人に、
 邱さんは「金儲けより節税対策に頭を使え」と
 アドバイスする場面を描いています。
 「『お金が儲かるのはよろしいですが、小さな会社で利益がたくさん出ると、
 あとが大へんですよ』
 『どうもそうらしいですね。税理士の先生からも言われました。いままでつとめていた会社は上場会社だったし、
 利益を出して業績をあげないと株価も上がらないけれど、
 中小企業では儲けても税金をとられるばかりですから
 経費を考えてお金を使いなさいって!』
 『そうしないと、あとでたいへんなことになりますよ。まず利益が莫大に上がると、
 同族会社の留保金に対する課税も含めて
 65%を税金にとられてしまいます。
 そればかりではなく、
 次の年の予定納税を前年並みにやらなければならなくなるから、
 次の年は入ってくるお金を片っ端から持って行かれます』
 『税理士のセンセイからも、私に給料をたくさんとりなさい。奥さんや娘さんにも仕事を手伝ってもらって、月給を払いなさい。
 広告宣伝の仕事なら、外国へ視察旅行にでも行って、
 できるだけお金を使いなさいと言われています」』
 『一体、自分のサラリーはいくらとっているのですか?』 『60万円です』 『60万円では安すぎますよ。100万円にしなさい。それから奥さんにも手伝ってもらって、
 二人代表取締役にして、奥さんも100万円払ったらどうですか。
 二人代表取締役が都合が悪かったら、
 専務か常務でもよいでしょう・・・』
 といった具合に文章が続きます。
 この文章が書かれたのは昭和59年で、その後税法の規定も変わっていますから
 詳しくは税理士のセンセイにきいて
 いまの規定に当たっていただく必要がありますが、
 「節税対策に頭を使う必要」に変わりはありません。
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