第404回
体験不足の自覚が明日の行動への動力源になります
セミナー2日目で、
参加者の間で話題になったことの一つは、
自分たちには「仕事をつくり出す」という体験が
どうも不足しているぞという感想でした。
どうして、そういう話になったかといいますと、
邱さんは著作の中で「仕事をつくり出す」ことが大切で、
そうした姿勢が習慣になっておれば、
後半の人生も乗り切れると述べておられ、
このことにしばしば言及したからです。
たとえば、『みんな年をとる』で邱さんは
「自分で次から次へと
自分のやる仕事をつくり出す人間には
仕事がなくなるという心配はないが、
自分の仕事を自分でつくり出す習慣を
身につけていない人は、
お金があって定年後の生活に困らないといっても、
路頭に迷ってしまう。」と書いています。
あるいは『生きざまの探求』の「まえがき」でも
次のように書いています。
「時々、同窓会に顔を出してみると、
会社を定年退職した昔のクラスメートが
すっかり老け込んでいるのに
少なからず衝撃を受ける。
どうしてだろうかとよくよく観察して見ると
長い間、与えられた仕事をこなす生活に慣れて、
自ら仕事をつくっていく訓練をしなかったことと
かかわりあいがあるらしい。
同じ会社勤めをしてきた人でも、
自ら先頭に立って仕事をつくってきた人は
定年によって仕事から見放されることはまずない。
職場が変わっても、
次々と仕事をつくっていくことができれば、
年をとってなどおれないからである。
つまり、どんな年のとり方をするかは
年をとってから決まることではなくて、
実は、そのずっと前に決まってしまうということである。」
つまり邱さんは「仕事をつくり出す」訓練をし、
それを習慣にしているかどうかが、
将来を左右するとおっしゃっているわけです。
こういう大事な話を聞いて、
じっとしている手はありません。
自分にはこの辺の体験が不足しているぞと気づければ
そういう体験をするように動こうということになります。
セミナー参加者の間で、
このことが話題になったのは
きわめて健全なことだと思います。
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