蓬莱仙人・大海淳さんの
身体にいい話

第205回 (旧暦8月13日)
キノコとナスはガン予防の理想的な「食べ合わせ」です

むかしから、キノコの食毒を判別する方法として、
いろいろな俗説が言い伝えられてきました。
たとえば、「柄が縦に裂けるキノコは食べられる」とか、
「虫が喰っているキノコは大丈夫」だとかいった
類(たぐい)のことですが、
そうした俗説巷説のひとつに「ナスと煮ると毒が消える」という
風説があります。

しかし、結論から先に言えば、
これらの俗説巷説はすべてウソですから、
間違っても信用してはイケマセン。
ところが、第201回(9月5日)で紹介したような
「食べるとガンの予防効果がある」キノコを
ナスと一緒に食べると、さらに一層の
ガン予防効果が得られるのです。

それはどういうことかといいますと、
ガンが発生するメカニズムは、まず、
正常な細胞の増殖をコントロールする遺伝子に
何らかの原因が作用して傷つけられることによって始まりますが、
この遺伝子が傷つくことを「イニシエーション」、
そして、そのイニシエーションをもたらす物質のことを
「イニシエーター」と呼びます。
つまり、この「イニシエーター」というのが、
いわゆる「発ガン物質」と呼ばれるもので、
たとえば、肉や魚の焦げた部分などが
その代表的なものにあたります。

でも、実際には、このイニシエーターを摂取しただけでは
まだガンが発生するわけではなく、
そのイニシエーターに触媒的に作用する物質
(これをプロモーターと呼びます)がともなって初めて
発ガンすることになるのです。
したがって、もし発ガン物質と呼ばれるものを食べたとしても、
そのイニシエーションを抑制する働きを持つものを
同時に食べていれば、発ガンする確率を
減少させることができることになるわけです。

それでは、どのようなものが高い抑制効果をもっているか、
ということになりますが、農水省食品総合研究所の研究によれば、
肉や魚の焦げ部分(Trp-P1、Trp-P2)に対して
最も高い抑制率を示したのがナスで、
その抑制率は、Trp-P1で86.2%、Trp-P2で82.5%でした。
ということは、キノコとナスを一緒に食べれば、
キノコによってガン細胞の増殖抑制効果が得られるとともに、
ナスによって発ガンの確率を
軽減させられることになるわけですから、
キノコとナスは、ガンの予防食として
理想的な「食べ合わせ」ということになるでしょう。

その意味で、ナスは、毒キノコではなく、
むしろ「食用キノコ」と煮て食べるべきなのです。

ヒラタケ

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