蓬莱仙人・大海淳さんの
身体にいい話

第204回 (旧暦8月12日)
味噌汁でも鍋物でも、とにかくキノコを食べること

第201回(9月5日)では、
「キノコ好きにはガンが少ない」という話を
国立ガンセンター公表の「子実体(キノコ)の熱水抽出物による
ガン細胞増加阻止率」のデータを添えて紹介しました。

ただ、この説明には、「子実体(しじったい)」とか、
「熱水抽出物」といった耳慣れない言葉があって、
十分に理解できない人もいるのではないかと思います。
そこで今日は、次回以降の話を進めるうえでも
理解しやすいように、これらの言葉について
補足の説明をしておくことにしましょう。

まず、子実体ということですが、
これは通常われわれが「キノコ」と呼んでいるものの
学問的な呼称です。
キノコというのは、生物学的にいうと菌類に含まれますが、
菌類のうち、菌糸と呼ばれる微細な糸状の細胞のかたちで生活し、
胞子を造って繁殖するグループのことを総称して
一般的に「カビ」と呼んでいます。
ところが、このカビの仲間には、胞子が発芽しても、
その繁殖器官が本体の菌糸と同じように
顕微鏡でのぞかないと視認できないグループと、
胞子が発芽すると肉眼で視認できるグループとがあり、
後者に該当するものを特別に「キノコ(Fungi)」と呼んで
区別しているのです。

つまり、われわれが「キノコ」と呼ぶものは、
一部のカビのなかまが形成する大型の繁殖器官のことで、
植物でいえば花や果実に相当するものですが、
学問的には、この大型の繁殖器官のことを「子実体」と言います。

一方、熱水抽出物というのは、
その検体の成分を熱水によって抽出したもので、
簡単に言えば、「湯で煮出した物」と
理解してさしつかえないのです。
したがって、「子実体の熱水抽出物」ということは、
「キノコを煮出した物」と同じわけですから、
エノキタケでもシイタケでもナメコでも、
味噌汁なり鍋物なりで食せば、
この「熱水抽出物」を摂取できることになり、
それによってガン細胞の増殖を高い比率で阻止することができる、
ということにほかなりません。

また、この熱水抽出物は、
それぞれのキノコに含まれる成分によって、
ガン細胞の増殖阻止作用のほかにも
いろいろな効用をもたらしてくれますし、
反対に、キノコの種類によっては熱水抽出法では
たいした効果を発揮してくれないものもありますが、
それについては次回から順次紹介していくことにしましょう。

原木栽培のシイタケ

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