第158回 (旧暦6月16日)
アウトドアで活用できるのは自然物だけではアリマセン
今日はまた「仙人流野外生活術」の話です。
前回(第154回・7月11日)では、
自然の中で手に入れられるいろいろなものを上手に活用する
知恵や技術を身に付けることが大事だと書きましたが、
実は、そうした「応用」の知恵や技術は、
自然のものだけが対象になるわけではありません。
どういうことかと言えば、
自分がアウトドアへ持って出る道具も衣料も食糧も、
あらゆるものがその対象になり得るということです。
たとえば、テントの排水溝やトイレ用の穴を掘るための
携帯用スコップは、柄を取り外せば
フライパンや鉄板として利用できますし、
(モチロン洗ってからですゾ)、
予備の厚手の靴下は鍋把みにも手袋の代用にもなるはずです。
いま、われわれは、専用化・細分化された
さまざまな道具を使う生活に馴れてしまっており、
それはアウトドアの世界とて例外ではなく、
やはり専用化、細分化された
さまざまなアウトドア専用の道具が造られ、
多くの人たちがそれを頼りに
アウトドアライフを楽しんでいるのが実情でしょう。
しかし、それがあると確かに便利ではあるものの、
それがないとどうしてもアウトドアライフが楽しめない、
というものとなると、実はそれほど多くはないのです。
ひとつの例を挙げるならば、
ガスやガソリンを燃料をする大型のランタンなどが
それに該当するのではないでしょうか。
確かに、この大型ランタンは、マッチ1本で点火でき、
照度も高くて便利ではありますが、
嵩張るうえにホヤが割れやすく、持ち運びを考えると、
仙人はとてもアウトドアで使う気にはなりません。
それでは、アウトドアの照明具として
仙人はどんなものを使うかといえば、
いつも大型のロウソク1本で済ませています。
ただし、ただの裸ロウソクとしてではなく、写真のように、
食料の一部として持っていく
ナツミカンやグレープフルーツなどの大型の柑橘類の皮を利用して
即席のランプシェードを作り、その中にロウソクを点すのです。
こうすると、照度も少し上がりますし、
テントの中のムードも結構楽しめるばかりでなく、
何よりも、わずか2〜3時間の照明のために
嵩張る荷物を持っていかずに済むではありませんか。
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夜のテント生活も楽しい |
グレープフルーツの皮を利用したランタン |
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