第154回 (旧暦6月12日)
道具依存症に陥っていませんか?
今日は「仙人流野外生活術」のつづきです。
以前に、「現地調達、現地満腹主義」
という話をしたことがありますが(第91回・5月9日)、
アウトドアライフの達人になるためには、食べることだけでなく、
すべての面でこの「現地調達」の知恵や技術を
身につけておかなければいけません。
なぜかというと、今、
われわれは日常生活すべてにわたってさまざまな道具に囲まれ、
その道具に依存して暮らしているとも言えるのですが、
道具というものは必ず故障したり壊れたりするものですし、
とくに精巧緻密で便利な道具ほど、小さな部品ひとつを失くしても
タチマチ使い物にならなくなってしまうものであるからです。
それに、アウトドアのフィールドは、気象も地形もハードで、
道具が壊れやすい環境であるとともに、
それを失くしたり落としたりする頻度も
街中とは比較できないほど高いことも忘れるわけにはいきません。
したがって、その道具が何らかの理由で使えなくなったとしても、
その機能を身近に求められる別のもので応用代替して
急場を凌ぐことができる程度の知識や技術は
当然身につけておかなければならないことになるでしょう。
つまり、ピクニックに行って、
弁当を食べる箸を忘れたことに気が付けば、
そこらに生えている木の枝を折って
箸の替わりにするくらいの知恵は誰でも持っているはずですから、
これと同じように、テントのペグが効かないときは
身近にある立ち木や石を利用したり、
ヒモやロープが足りないときは現地で調達できる
つる植物で代用したりする、といった
「応用の知恵」を身につけておこうということです。
というよりも、そもそも道具というものは、本来、
こうした自然のものを使って果たしてきた機能を発展的に簡便化、
専用化したものにすぎませんから、
その基本原理さえ理解できていれば、
そのあたりに転がっている自然のものを活用して、
だいたいのことは間に合わせることができるものなのですネ。
サテ、あなたはどの程度「道具依存症」に陥っているでしょうか、
一度アウトドアに出て試してみませんか?
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テントを張るときも現地にある石や立ち木を利用する |
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