第153回 (旧暦6月11日)
ミナトみらいでもヤマモモ狩り
この連載を始めて間もないころ(第45回・3月17日)、
仙人は全国アチコチに自分のハタケを持っている、
という話を書いたことがありますけれど、
一昨日、横浜へ出掛けたついでに、
そのハタケのひとつに寄ってきました。
それはヤマモモのハタケなのですが、
実は、仙人のヤマモモのハタケは
「ミナトみらい」のすぐ近くにあるのです。
ヤマモモは、ヤマモモ科の常緑高木で、
天然分布では中部地方以西の温暖な海岸部に生えるのですが、
最近では公園や街路などにも植えられることが多く、
ちょっと気を付けて探してみると
案外身近な場所で見つかることが少なくありません。
ちょうど今ごろの季節、公園や街路を歩いていて、
親指の頭大の暗紅色の実がたくさん落ちていたり、
人の足で踏み潰されているのに気が付いたら、
おそらくそれはヤマモモのはずですか
ら立ち止まって上を仰いでみてください。
仙人は、このヤマモモの実で毎年果実酒を作っていますが、
ヤマモモの実には、果糖のほか、ミリセチン、ミリシトリン、
カロチン、脂肪油などが含まれていて、
その果実酒には疲労回復、強壮強精、
食欲増進、美容などの効果があります。
ヤマモモ酒を作るには、酒1.8Lに対して果実0.9〜1L、
氷砂糖100gを加えて密封し、
冷暗所で3〜4か月寝かせて熟成を待つと、
鮮やかなワイン・カラーに結晶します。
ただし、熟果だけではなく、
未熟果を3分の1ほど加えてやったほうが
一段とウマイ酒に仕上がりますから、
味にこだわる人は未熟果も忘れずに摘んでくるとヨロシイ。
また、ヤマモモの樹皮を夏季に剥いで天日乾燥させたものは
「楊梅皮(ようばいひ)」といって、
漢方では収れんや下痢止めに用いますが、
民間でも、頭痛の折にこれを煎じて服用したり、
虫歯の痛み止めに煎液でうがいをしたりするほか、
打ち身・はれもの・火傷などに楊梅皮の煮汁で湿布する、
などの療法があります。
ちなみに、ヤマモモは雌雄異株のため、
1〜2本植えた庭木の場合にはほとんど実を結びませんから、
実を手に入れたいときは、
やはり公園や街路樹など
雌雄が混植されている場所を探すことです。
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ヤマモモの実 |
ヤマモモ酒 |
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