蓬莱仙人・大海淳さんの
身体にいい話

第118回 (旧暦5月6日)
着地をするにもコツがある

今日は「仙人流歩行術」のつづきです。
第112回(5月30日)では
上り下りの上手な歩き方の基本を伝授しましたから、
今回は、身体を常に安定させる着地法について
書くことにしましょう。

上りでも下りでも、自然の山野を歩くときは、
爪先やかかとなど足の一部分だけでなく、
必ず足の裏全体でしっかりと着地するのが基本ですが、
このとき、意外に大切なのが足を踏み出す角度です。
ちなみに、走行中の電車の中で、
吊革につかまらずに二本の足だけで
どれだけ踏ん張っていられるかを試したことはないでしょうか。
この場合、最も安定する姿勢は、
車両の対角線上(しかも車両の中央部が最良)に
肩幅程度に足を開いて立つことですが、
こうすると、電車の横ゆれに対しても縦ゆれに対しても、
膝のクッションを利かせれば
かなり耐えることができるものです。
これと同じような理屈になりますが、上り下りにかかわらず、
坂道を歩くときは、図のように進行中心線に対して
足先を30度ほど外側に向けて踏み出し、
その角度を保って着地することを心掛けてください。
なぜかといえば、こういう角度で着地すると、
横方向にも滑りにくく、
常に安定した体重移動ができるからです。

通常、野山を歩くときは、必ず荷物を背負っていますから、
たとえ5cm程度の小さなスリップでも、
自分の体重プラス荷物分の重量を支え直すのに
費やされるエネルギーは決してバカにはできません。
こうした小さなスリップが2回、3回と重なれば、
精神的な負担も加わって、たちまち疲労が蓄積し、
筋肉や関節を傷めることにもつながってくるのです。

つまり、どんな小さなロスであっても、
アウトドアのフィールドでは、
それが命取りになりかねない可能性があるということで、
そのためにも、できるだけ最初から理にかなった
正しい歩き方を身につけておくことが大切なのですナ。

●上手に歩くための足の踏み出し方

 


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