蓬莱仙人・大海淳さんの
身体にいい話

第99回 (旧暦4月17日)
草木の葉を調理具に利用する術

第91回の「現地調達・現地満腹主義」では、
焼石を活用した野外調理法を紹介しましたから、
今日は木や草の葉っぱを調理具として利用する術を
伝授しておくことにしましょう。

飛騨(岐阜県)の高山地方に「朴葉味噌(ほうばみそ)」という
郷土料理があることを知っているでしょうか。
これは、きのこや山菜などを味噌と混ぜ合わせ、
これをホオノキの葉で包んで炭火コンロで焼くものですが、
このとき使われるホオノキの葉(朴葉)は、
長さ20〜45cm・幅13〜25cmと大型で、
ものを包むのに便利なうえ、香りがよく、
かつ火に強いという性質があります。
このため、具を包んで炭火で焼くと、
葉は燃えずに、中身の具には火が通り、
一種の蒸し焼き状態になるわけです。
このホオノキは、アウトドアで目にすることが多い植物ですから、
この朴葉味噌の方法を応用し、
釣った魚をくるんで焚火で焼くなど、
いろいろと自分で試してみるとヨロシイ。
このように、食品を包んで
焼いたり、蒸したりできる葉っぱとしては、
ホオノキ以外にも、カシワ、ヤマブドウ、トチノキ、
アカメガシワ、フキ、クズ、ササ類、ギボウシ類、
オオウバユリ、ツワブキなどが挙げられますが、
要は、食材を包み込める大きさがあって、
火熱に強く、毒や不快な匂いなどを持っていないものであれば
どんな葉でもよいのです。

ちなみに、下の写真で紹介したのは、
ヤマメをクズの葉で包み蒸しにしたものですが、
クズのように1枚の大きな葉になっていなくとも、
巻き方を工夫したり、
2枚、3枚と重ねて用いればよいわけですから、
応用次第でさらにいろいろな葉が利用できることになるでしょう。
なお、生葉と乾燥葉とでは、前者のほうが耐火性が弱く、
高山の朴葉味噌でも落葉後に乾燥させた葉を
用いるのが通例ですが、
生葉でも2〜3枚重ねればおなじように使用できるものです。

クズの葉で魚をくるんで焼く
ホオノキ

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