蓬莱仙人・大海淳さんの
身体にいい話

第98回 (旧暦4月16日)
「コメを食べる」とは「でんぷん」を食べること

今日もまたコメの話をすることにしましょう。
これまで、コメは炭水化物源食品で、
われわれの身体にとってエネルギー源であるとともに、
人類に文明をもたらすことを可能にした
数少ない食品のひとつであるということを述べてきました。
そこで今度は、コメの主要成分である
炭水化物というものについて、
もう少しくわしくみていくことにしようではありませんか。

炭水化物という物質は、
炭酸同化作用で植物によって作り出されるものですが、
動物にはこのような能力がありませんから、
われわれは「植物を食べる」ことで
植物体に蓄えられた炭水化物を摂取し、
エネルギーや生体を構成する成分を
作り出していることになります。
ちなみに、炭水化物とは、「炭素の水化物」という意味で、
栄養的にいえば、消化吸収されてエネルギーになる糖質と、
消化されない繊維とに分かれます。
そして、糖質(糖類ともいう)のほうは、
分子量の大きさによって、単糖類(ブドウ糖、果糖など)、
二糖類(しょ糖、乳糖、麦芽糖など)、
多糖類(でんぷん、セルロース、グリコーゲン)の
3種類に分けられ、このうち最も摂取されるのが
植物の種子や根などに含まれる多糖類の「でんぷん」です。

コメには72.8%の炭水化物が含まれていて、
このうち1%が繊維で、残りの71.8%が糖質
つまり「でんぷん」ですから、いってみれば、
コメはその7割以上が
「でんぷん」によって占められている食物ということになります。
したがって、われわれがコメを食べるということは
「でんぷんを食べる」ということとほとんどおなじことであり、
これまでしばしば「炭水化物(でんぷん)」という
表記を用いてきたのも、それゆえだったにほかなりません。
さて、この糖質というのは、
すべて単糖のかたちで吸収・代謝される性質がありますから、
われわれがコメから摂取する多糖類のでんぷんも、
必ず体内で単糖類に分解され、
ブドウ糖(グルコース)としてはじめて吸収されるわけですが、
実は、このことがコメという食品を考えていくうえで
きわめて重要な意味を持ってきますから、
よく憶えておいてもらいたいと思います。

●コメの栄養成分

「四訂日本食品成分表」準拠


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