蓬莱仙人・大海淳さんの
身体にいい話

第97回 (旧暦4月15日)
山のバイアグラ

仙人は、野山を歩くとき、
そこに生えている草木の葉をむしって口に含み、
それを噛みながら歩くことがしばしばあります。
それは、その日その時の体調をととのえるためですが、
こうした術を身につけておくと、
心身ともに常にバランスのとれた状態で
過ごすことができるようになりますから、
野山を歩く機会が多い人はぜひ試してみてください。

たとえば、のどが渇いて水がほしいようなときは、
イタドリやスイバ、ギシギシなどの葉や茎を口にすれば
ピタリとのどの渇きが止まりますし、
サンショウの葉を噛むと眠気や眼の疲れがとれて
気分がスッキリしてきたりするものです。
そこで今日は、山歩きの疲労回復に即効のある野草を
ひとつ紹介しておくことにしましょう。

それは、イカリソウというメギ科の多年草で、
4〜5月ころ、木もれ陽が差し込む林床に
船の錨(いかり)のような形をした
紅紫色の可憐な花を咲かせますから、
山歩きの途次に目にしたことがある人も
きっといるに違いありません。
イカリソウは、フラボノール配糖体のイカリインなどを含み、
漢方の生薬名では淫羊蕾(いんようかく)と呼んで
古くから強壮・強精の妙薬として使われており、
動物実験でも、これを動物のオスに与えると
精液量が増加することなどが確認されています。
まあ、「山のバイアグラ」とでも呼べるような存在ですが、
山歩きで少し疲れたようなときにも、
この葉っぱを2〜3枚むしって
そのままムシャムシャ食べながら歩いていると、
いつのまにか疲れがとれてしまうのですナ。

仙人の経験によれば、
こうした効果のある植物はほかにもいくつかありますが、
それについては日をあらためて紹介することとして、
今回は、このイカリソウの葉で
「仙霊脾酒(せんれいひしゅ)」を作っておくことを
すすめておくことにしようではありませんか。
「仙霊脾酒」というのは、
漢方伝統のイカリソウを用いた薬酒のことで、
疲労回復はもちろん、陰縮、補精、健忘症、無気力症、
神経衰弱、ヒステリーなどに効用がありますから、
一家に一本、常備薬として置くと何かと重宝するはずです。
作り方は、ホワイトリカー1.8Lに対して
半干しの葉1.3L程度(乾燥葉なら0.4L)、
氷砂糖100gを加えて漬け込み、
3〜4か月冷暗所で熟成を待てばヨロシイ。

イカリソウ

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