蓬莱仙人・大海淳さんの
身体にいい話

第91回 (旧暦4月9日)
現地調達、現地満腹主義

山にも新緑が甦り、
いよいよアウトドアのシーズンがやってきました。
そこで、今日から何回かに分けて
仙人流のアウトドア術を伝授することにしましょう。

まず最初は、野趣に富んだ
「石焼き料理術」というのをご披露してみましょうか。
最近のアウトドアライフのスタイルは、
道具も食料もすべて車で持ち込み、
車が入れる場所でお店をひろげてバーベキュー……
なんてのが主流になっていますが、
仙人は食料も調理具も持参せず、
基本的には現地で調達することにしています。
つまり、山菜や木の実、きのこ、魚など
自然のフィールドで調達した食材を、
流木、木の葉、石など現地で活用できるものを使って料理を作り、
その場で食べる、ということで、
仙人はこういう方法を「現地調達、現地満腹主義」と
呼んでおるのですナ。

では、食材の現地調達はさておくとして、
調理具をどうするか、ということになりますが、
たとえば川原などに転がっている石を利用するのです。
石という物体は、熱の不良導体、つまり
「熱しにくく、冷めにくい」という性質を持っていますから、
これを焚火にほうり込んで焼くと、
全身が理想的なホットプレートに変身し、
肉でも魚でもちゃんと上手に
焼き上げることができるようになるのですナ。
しかも、均質の熱で、遠赤外線効果も発揮されるため、
味の点でも申し分がありません。

やり方は、
(1)焚火を起し、平らな面を持つ石を火中に入れて芯まで焼く。
(2)焼けた石を火から出し、、
  平らな面を上にして表面の灰やススを払い落とす。
(3)釣った魚などを石の上に並べ、
  片面が焼けたら裏返して反対側を焼く。

この石焼き法は、実は古くから
川漁師や鉄砲撃ちのあいだに伝えられてきた
野外料理術のひとつで、
ヤマメやイワナ、アユ釣りなどをする人は
ぜひマスターしておくことをすすめます。

アマゴの石焼き

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