蓬莱仙人・大海淳さんの
身体にいい話

第92回 (旧暦4月10日)
文明は炭水化物が作った

今日はまたコメの話です。
第79回の「コメの栄養」(4月20日)では、
コメは炭水化物源食品で、われわれの身体にとって、
「エネルギー源」としての働きをもたらすものであり、
クルマにたとえればガソリンのような存在だと書きました。
そこで今回は、もう少し別の視点から
コメの主要成分である炭水化物(でんぷん)というものについて
考えてみることにしましょう。

それはどういうことかといえば、
この炭水化物(でんぷん)という物質は、
われわれの身体にとっての活力源であるとともに、
実は、人類史上、数々の「文明」を誕生させ、
それを支えてきた活力源でもあったということです。
ちなみに、人類最古の文明である古代エジプト文明では
エンマコムギ、オオムギなどの栽培が行われ、
パンを作る技術を誕生させていましたし、
それに続くメソポタミア文明では
一粒コムギ、エンメルコムギなどのコムギ類とオオムギを栽培し、
オートミールとして食用されていました。
また黄河文明ではコムギ、オオムギなどの麦類と、
アワ、ヒエ、キビなどの雑穀が、
エーゲ文明ではコムギが、
古代インダス文明ではイネ(コメ)とムギが、
そしてマヤ・インカ文明ではトウモロコシが……といったように、
あらゆる文明において、それが生まれ支えられてきた裡には、
必ずその活力源として
主要なでんぷん食物が介在してきたのでした。

つまり、人類の食生活の形態には、
主食とする食物の違いによって、
イモ・果実食、畜産食、雑食の三つのかたちがありますが、
このうち、でんぷん食品である穀物食のみが
「文明」を誕生させることができたということに
ほかならないのです。
それでは、なぜイモ・果実食や畜産食では文明が生まれず、
でんぷん食品の穀食だけが文明を誕生させられたのか、
ということになりますが、その理由については
あらためて次の機会に紹介することにしましょう。

文明を誕生させた主要穀物のひとつイネの田植え

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