蓬莱仙人・大海淳さんの
身体にいい話

第93回 (旧暦4月11日)
山菜の誤食事故

毎年いまごろの季節になると、山菜と間違えて毒草を食べ、
中毒事故を起こしたという話が必ず何件か
テレビや新聞で報じられます。
ほとんどの薬草は、若苗の時期と花の時期とで
その姿が大きく異なるため、花を見れば識別できても、
若苗の姿で正しく判別できる人となると
思いのほか少ないのが実情なのかもしれません。
とくに若苗のうちは、外見上の識別点となる特徴が少ないうえ、
どの野草もみずみずしくて、
いかにも食べられそうに見えますから、余計に間違えやすいことは事実です。
しかし、細かく観察すれば、
必ずいくつかの相違点が見つかるもので、
こういうときにこそ日頃の植物に対する観察眼が
モノをいうことになるのですナ。

もっとも、間違って口にしても
命に別状が出るような毒草はそれほど多くはなく、
あまり神経質になりすぎる必要はありませんが、
山菜採りに行くような場合には
絶対に手を出してはイケナイ毒草についてだけは、
まず先にその特徴を憶えておくのがベターです。
日本に自生する植物のうち、生命の危険にかかわるのは、
トリカブト、ドクゼリ、スズラン、ドクウツギ、
フクジュソウ、アセビくらいのもので、
このうち誤食による死亡事故がもっとも多いのはトリカブト。
これは、食草のニリンソウとトリカブトとがよく似ていて、
ニリンソウと間違えて口にしやすいからです。

ニリンソウとトリカブトとの区別点は、
ニリンソウの葉は根から1本ずつ生え出ており、
トリカブトより薄くて表面に光沢がないことや、
葉先の切れ込みがトリカブトより浅いこと、
また、トリカブトと較べて全体に小形であることなどですが、
山菜の時期でもっとも判りやすい違いは、
ニリンソウには必ず花芽をつけた株があるのに対し、
秋に花を咲かせるトリカブトは
山菜の季節には花芽を決してつけていないことです。
ただし、ニリンソウとトリカブトとは、
おなじ場所に混生していることも少なくありませんから、
自信が持てないときは決して手を出すべきではありません。

ニリンソウ トリカブト

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