元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1186回
気功とは何か?

帯津良一医師・編著の近刊、
「がんを治す 在宅療法大事典」には、
退院後、患者と家族が協力して出来る
ホリスティックな養生の知恵が
ぎっしりと満載されています。

それも、ただ欧米からの借りの医学に
妄信するだけでなく、
日本古来、東洋人の体質にあった
養生法を真面目に見直し、
具体的に解説しているところがミソです。

このコラムで何度も紹介してきた、
帯津三敬塾クリニックの針灸師・鵜沼宏樹さんが、
家庭で出来る「はり灸・実践法」のほかに、
「生命場を整える気功」について書いておられますので、
そのエッセンスを紹介しておきたいと思います。

読者の中には、健康維持のために、
気功や太極拳をやっている人もいると思いますが、
では、気功とは何でしょうか?
帯津三敬塾クリニックのホームページを開ければ、
次のような分かりやすい説明があります。

「気功とは、呼吸、姿勢、意識のコントロールによって
 自然治癒力を引き上げ、
 病気の人は治癒へ、健康な人はより健康に導く技術です。
 太極拳も気功も中国で生まれた心身の調整技法です。
 気功という名称は、
 50年代に使われだした新しいものですが、
 広い範囲を包括した概念なので、
 太極拳も気功に含まれます」

さて、本場中国で修練してきた
鵜沼宏樹さんが、もう少し、詳しく
「がんを治す 在宅療法大事典」の中で
解説していますので、
その奥義と効用を知って、
実践に役立てるとよいと思います。

          *

そもそも気功という名称が、
いまのように使われはじめたのは、
近年になってからのことです。
1950年代に劉貴珍という人が、
医療、武術、宗教など
さまざまな流れをくむ心身調整技法を
「気功」という名称でひとつに括り、
その気功を中心に据えた医療活動を
展開しはじめました。
そして、その活動が
国の衛生部(厚労省に相当する)に
だんだんと評価されてくるにしたがい、
広く一般に認知されるようになりました。

この劉貴珍さんが、
その著書『気功療法実践』のなかで、
つぎのように定義しています。

「各功法(気功)は、その名称こそ異なるものの、
 一様に身体、呼吸、心の鍛練を手段とし、
 病に克ち長寿をまっとうすることを目的としている。
 古典理論を依りどころとし、
 このように正気を養うことを主とする
 自己鍛練法を気功と命名する」

これをもっと簡単にいうと
「理論的には中国の伝統を継承し、
 常に体と心と呼吸という三つの要素を念頭に置いて行なう、
 健康を目的としたトレーニング法が気功だ」
ということになるでしょう。

          *

気功とは、「自然治癒力」を養う、
もっとも効果的な鍛練法だ――というわけです。


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2005年11月25日(金)

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