第1185回
「はり灸」で便秘や痔を治す
まえに、帯津良一医師・編著による近刊、
「がんを治す 在宅療法大事典」に掲載されている
針灸師・鵜沼宏樹さんの、
家庭で出来る「はり灸・実践法」の話の続きです。
今回は「便秘の治し方」と「痔の治し方」です。
*
●便秘
上巨虚、腹結、大腸兪のツボを使います。
1.上巨虚は、足三里からみつけます。
足三里はスネの骨(脛骨)の前面をさすりあげ
指がぶつかって止まるところの外側にとります。
そこから手のひらの幅だけ下に
移動したところが上巨虚です。
そこへペットボトルの温灸器をあて、
「熱い」と感じたら
反対側の上巨虚にあてます。
このように3〜5周します。
2.腹結はおへそと、
最もおなか側にある
骨盤のでっぱりとの中間点にあります。
そこをペットボトルで
左右交互に3〜5周刺激します。
3.最後に大腸兪を温灸で刺激します。
大腸兪は
ちょうど骨盤でベルトが止まる高さで、
背骨から二横指離れたところにあります。
ここを温灸器で3〜5周、
左右交互に温熱刺激を加えて終了します。
●痔
百会と長強を使います。
1.百会は正中線と両耳の先端を結ぶ
線の交わるあたりで、
押すとブヨブヨしているところです。
ここをまず、束ねたツマヨウジで
100回ぐらい軽く「トントン」とたたきます。
2.次にその百会へ、
ペットボトルの温灸器をあてますが、
このときは、髪の毛の厚みを考えて
くつ下は一枚だけはかせ、
手で持つときタオルの上から握って
火傷しないように気をつけます。
百会へ温灸器をあて
「熱い」と感じたら離すことを7〜9回繰り返します。
3.長強は、尾骨の先端と肛門の中間点にあります。
ここをペットボトルの温灸器で
同様につけては離しの刺激を
5〜7回行ないます。
ここはまずくつ下を二枚重ねで温灸してみて、
もしぬるいようなら百会同様、
くつ下一枚だけで刺激するようにします。
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便秘や痔は、
ガンの患者さんが併発して起こす
いやな症状のひとつですが、
過食とストレスのために
この病気に悩む人も意外と多いようです。
なんでもかんでも薬に頼るのではなく、
自らの自然治癒力を喚起しながら、
養生に努めることが、
スローヘルス健康法のヒケツです。
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