第1157回
弔意のメールを有難う
勇気ある医師・土屋繁裕医師、
49歳の急逝につきましては
多くの患者さんや見知らぬ読者のみなさんから、
たくさんのメールや電話をいただきました。
有難うございました。
スローヘルス研究会の女性患者のO・Aさんからは、
次のような弔意のメールを貰いました。
「関根様 大変ご無沙汰致しています。
おかげさまで、
今月で、術後3年目を迎えることができました。
土屋先生がクモ膜下出血でお倒れになったことは、
テレビ朝日の友人と
浦部農園の浦部真弓さんから聞いていました。
しかし、残念なことです。
先生のほうが先に逝ってしまうなんて。
先生のご逝去を聞き、
何より関根さんのことが気がかりでした。
お心おとしなく、あの世には、
関根さんのお母様・倉本四郎さん・原田廉平さん
そして、土屋先生と強力な応援団がいるのですから。
現世での活躍に大きな風を送ってくれます。
関根さん、頑張って」
ただ、土屋医師の冥福を祈り、悲しむだけでなく、
「患者にやさしい医療の実現」を目指す、
スローヘルス研究会の大きな存在であった土屋医師を失って
これからの活動はどうなるのか?
それを心配して、O・Aさんは、
僕の身についても、案じてくれたものと思います。
有難うございます。
たしかに、この2〜3年の間に、老母を失い、
また、食道ガンの倉本四郎さん、
肺ガンの原田連平さんといった、
「忘れえぬ友」をふたりも失う――、
そして、こんどは信頼していた土屋医師です。
普通なら「神も仏もあるものか」とでも
いいたくなるところです。
先日、三回忌を迎えた倉本四郎の奥さんから、
愛惜に満ちた手紙を貰いました。
「シローも、よほど、あちらの世界が楽しいようで、
帰って来ないんですよ」
うん。きっと、そうなのかも知れません。
いまごろは、原田さんと土屋医師が
かたくかたく手を握り合っていることでしょう。
倉本さんが
「土屋先生、どうしたのですか?
関根さんより早く、
こちらに来ることはなかったでしょう。ハハハ、」などと、
作家らしいジョークを飛ばしているかも知れません。
そうですね。
僕たちは、ただ落ち込んだり、
胡散臭い宗教者のように、この世の「無常」など、
したり顔で悟っていてはいられません。
先へ逝ったといえ、
この親友たちとの「有情」は分かちがたいものなのです。
わが身が、知らず知らずの間に、
向こう岸へ行った人たちと、
語り合っているような気分になる――、
いや、生死の境を越えていく
不思議なパワーを与えられているようで、
いまは、気分が高揚しています。
O・Aさん、励ましのメールを有難うございました。
かけがえのない友たちの死を無駄にしてはいけない――、
これこそ、残されたものたちが
「超えるべき、ひとつのハードル」なのですね。
11月からのスローヘルス研究会の活動も、
さらに広範に再開していくように計画中です。
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