元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第741回
末期ガンでもあきらめない

これまでのガンの本というと、
医師の専門的な指南書、患者の体験記、そして
業者のPR本がばらばらに出版され、
かえって、これが治療の選択を
阻害しているところがありました。
というわけで、
納得いくガン治療を受けるためには、
まず「医師と患者の距離」を
上手に縮めることだ――
最近はそうした趣旨の本が、
僕と土屋繁裕医師との共同作業のほかにも、
何冊か出版されていること、
さらに「ガンはみんなで治そう」というすすめを
本を紹介しながら書いてきました。
みなさんも、イザというときに備えて、
ぜひ、この新しい流れを掴んだ
ガン治療本には注目してほしいと思います。

さて、もう一冊、ぜひ読んでおいてほしい、
患者に役に立つ、
ノンフィクションを紹介したいと思います。
それは、このコラムでも何度も登場していただいている、
ホリスティック医療の草分け、
帯津良一医師に密着取材して、
なぜ多くの患者がこの医師の元に助けを求めるのか?
その革命的ともいえる、
ガン治療の秘密を
ノンフィクションライターの
村尾国士さんが徹底的に明らかにしたものです。
タイトルは「どんなガンでもあきらめない」(晶文社)です。

帯津医師といえば、
まさに、東大出身の外科医として、
東大病院や都立駒込病院で、
多くのガン患者を執刀してきた名手でしたが、
ガンは西洋医学だけの方法では限界があることを悟り、
気功と中国医学にめぐり合ってから、
西洋医学と中国医学のよいところを取りいれる
中西医結合の治療法、さらに
ホリスティック医療を独自で開発した医師で有名です。

僕の主治医でもあり、
そのゆったりとした仏様のような笑顔、
患者の気持ちを聞きながらの治療相談、
そして、患者の症状にあわせた漢方煎じ薬・・・
まさに「医者と患者の距離を感じさせない」
温かい治療に、なんど危機を救われたか分かりません。

この帯津ノンフィクションにも、
大学病院で見捨てられた患者さんたちが、
帯津医師の
「西洋医学的には手の施しようのなくても、
 治療法はほかにもいくらでもあります。
 末期ガンでもあきらめることはないんです」
という言葉にパワーを得て、
命を拾っていく患者さんの話がたくさんでてきます。
勇気が湧く本ですから、ぜひ読んでみてください。


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